刃文鑑定で

茎を隠して銘を当てる場合一般的に、姿から時代などを、地鉄から国や流派や位などを、そして刃文で個銘を特定すると言うような方法をとります。
刃文の特長は個銘を当てる大切な手がかりですので、書籍等でよく勉強する必要があります。
刃文の名称などを覚え、一振りの刀の中に本で見た刃文を見つけると嬉しくなるのは何年やっていても同じです。
慣れて来ると、細かな特長だけでなく、全体の刃文の構成などが見えて来ますので、持った瞬間に個銘が浮かぶものです。
しかし、実際刀を持ち電球に透かして見た場合、知っている雰囲気ではあるがどうしてもイメージがつながらず、苦しむ時がないですか?!
その時はこれが原因の場合があります。

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同じ刀を、書籍等で見る平面の見方、実際刀を見る時の斜め方向からの見方で3振り分並べました。
実際に見る時はこの画像よりもっと強い角度で水平に近い位置から見ている方も多いと思います。
当然ですが角度が強いほど刃文は詰まって見えます。
いつも見る本では腰が大きく開く刃文でも現物を見た時そうは見えない。
押形では働きの数が少ないのに、現物は大変よく働く直刃に見える。
特に後者。 押形を描いていても現物の見え方と描いた押形の見え方の違いに戸惑う事があります。
例えば直刃30センチの間に足が15本入っているとして、現物では十分にぎやかに見えるのですが、押形に描くと寂しく感じてしまう・・・。
しかしそれは錯覚で、その押形を斜めから見ると十分ぎやかな直刃です。
本に載っている押形を見る時、斜め方向からも見るようにすると現物とのイメージのずれも少なくなります。

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