シナエ

刀の傷・欠点の一種にシナエと言うものがあります。
焼き入れの時に起こる物や何かを切った衝撃や曲がりにより発生する物、また曲がりを直した結果発生する物などさまざまです。
当ブログ2012年11月17日の記事に有る様な粗雑な造りの刀にもシナエが多数発生して居る物を見る事は頻繁です。
以前刀鍛冶さんから、「感度の良い鉄に発生しやすい」とも聞いた事があります。
全体で言えば末古刀と新々刀が一番多いでしょうか。

画像

画像ですが、このタイプは実際に物を斬る武道をされている方はよく目にする物だと思います。
ある程度しっかり曲がってしまった刀を直した部分に出るシナエです。
この様に綺麗に網目状に出る事が多く、私には詳しく分かりませんが自然の法則の通りなのでしょうね。
焼き入れ時に出たシナエは彫って寄せるなどしても目立ってしまう事も有りますが、このタイプは表面的な物ですので軽い研磨で消えてくれるものです。
 ただ、曲がりについてはその部分に癖が付くと言う方も多く、物によっては見た目には分からずとも内部にも影響して居る事も有るようです。

前の記事

永仁長銘了戒

次の記事

ワキケ森半平切之