平成23年 10月16日 京都 入札鑑定

 今日は入札鑑定会でした。 本部からです。
一号 太刀(刀?)
 定寸ほど。 少し細め。 磨上て茎尻に銘か。
 丁子。 総体に華やかで出入りは少なく焼き高めだが房は大きくない。
 刃中は暗い箇所が多い。 
 よく映るが乱れを見せるスペースが無い(磨く前の鎬地を見たい!)。
 少しだけ湾れ込んであとは素直に進み丸。
 鎬地は板目が強く流れるので柾状。
 福岡一文字ですが個銘は一切分からないのでとりあえず福岡一文字吉房と入札。
二号 刀
 反り浅定寸ほど。中鋒延び。
 かなりザンぐっていて堀川は間違いない。 
 ちょっとザングり過ぎ・・。
 出羽に有り勝ちな刃文構成ですがここまでバサけた出羽は知らない。
 國廣の芯の有る匂い口とはかなり違う。
 堀川でしょうが國廣には入れたくない出来ですので藤原廣實と入札。
三号 短刀
 重ね強烈に厚い。 棒樋。
 地景で大きい杢を。 沸える。
 本によく載っている短刀だと聞こえてしまいました。
 そう言えばこの刃中に有る色変わり部分、研師としてはかなり気になりますが何か
 の本で見た覚えが有ります。
 
 多分清麿でしょうが関西で普通に暮らしていると清麿を手に取る機会はそんなに多
 くありませんので経験不足
 は否めずこう言う出来だと他の山浦と迷ってしまいます。
 清麿と入札。
四号 刀
 
 全体に反る。 先まで身幅広く鎬狭く刃が低いので地鉄面積が広い。
 こういう刀は研師の腕の見せ所でしょうか。 地鉄をちゃんとするのに何日も何日も
 兀兀とこなします。
 三本杉は2,3個。
 二代兼元と入札。
五号 刀
 
 長い。 反り浅。 鎬狭。 涛乱。 庵高。 包貞の鋒形状。
 越後守包貞と入札。
 当同然
 当
 当
 当
 当
一号 刀   大磨上無銘 福岡一文字
二号 刀   藤原廣實(堀川)
三号 短刀 源秀寿(清麿) 天保五年仲冬 為涛斉主人作之 (重要刀剣)
四号 刀   兼元(二代孫六) (重要刀剣)   
 
五号 刀   坂倉言之進照包 延宝八年二月吉日 (重要刀剣)
一号は大磨上無銘でした。
三号の違和感は初期作だからですか。今更ですが勉強になりました。

画像

前の記事

大和物

次の記事

切刃