研磨工程を ⑥

引き続き内曇工程ですが、某日、数種の刃砥を経て地砥を引きます。
主に刃引きの時ですが、細名倉までは砥石目を揃えながら進みますので節が規則的に付きますが、内曇は細名倉の粒度より格段に細かいですのでよほど妙な引き方をしない限り下地を崩す心配は有りません。
ですので白熱灯でこまめに砥目を確認しながら効いていない部分を探しひたすら引きます。(それでも正しく引かなければ横手や鎬をけったり三つ頭を丸くする様な事になります)
100回引いては確認、200回引いては確認。 焼が高い刀や硬くて効き辛い物は500回単位で確認と言う感じです。
以前、一振りでいったい何万回ほど引くのかを知りたくて腕に万歩計を付けてみた事が有るのですが、微妙な力加減で引くので万歩計がうまく計測してくれませんでした(笑)

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地砥を引いているところです。 刃引き時よりも肌が見えて来ています。
慣れないうちはヒケに苦しむのが内曇なのですが、何年やってもヒケる時はヒケるんです・・。
刃砥のヒケはそのまま地砥に移れば取れる場合も多いのですが、地砥でくるヤツは手ごわいのが多いです。
引いていてヒケが来るといつも、その原因を石の所為にしたくなるのですが、多分殆どの場合原因は引き方や砥面にあるんだと思います。

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