無題
私、英単語は一つ覚えるのに何日も掛かり、イディオムに至っては記憶不能に近いのですが、刀の銘や一度拝見した御刀はなぜだか結構細部まで長期間頭の中に残っていてくれます。
そんな私なのですが、今日拝見した二振りの銘は忘れてしまいました・・・・。
そんな私でも聞いた事の無いような所謂マイナー刀工だったわけなのですが(多分新刀の元文・寛保・延享・寛延の頃の作刀で、刀の需要が少なかった時代と言われ、この辺りの年紀が入った刀はめったに見ません)、かなりすっきりとしたものでした。
先日のブログの内容を見なおしたら、かなり言葉足らずで間違いに近い内容になってしまっている事に気が付きました。
データをあげたうえで、「一点だけを見て鑑定をして行くと、けっこうな確立でハズレます・・・。」と書いていますが、このデータだけで見ると「結構な確立で当ります」の方が正しい事になってしまいます・・・。
詳しく書いて行くと、かなりややこしくなるので大雑把に書いた結果こんな感じになってしまっていましたが、ちょっと追記します。
・まず、このデータは重刀図譜をざーっと見た結果です。
・そして、各一文字、在銘・無銘問わず合算しています。(平身、薙刀直しは除いています)
・表裏違う帽子もありますが、ざーっと見ただけですのでその瞬間のフィーリングで数字にしました(笑)
・横手より僅かに乱れ込んだ物でも、その上が直ぐに丸ならば数に入れた物もあります(横手の位置は後世に移動 して居る場合が多く、本来の正確な位置は押形だけでは容易には分かりません)。
・僅かな湾れは数に入れた物もあります。
・現物と重刀図譜の押形が色んな意味で必ずしも同じ状態とは限りません。
・一文字でも直刃や直刃調も有りますが、その場合の直ぐ丸帽子も数に入れています。
だいたいこんな所ですが、データに関してはこんな感じです。
で、入札鑑定時にですが例えば全くの初心者の方で、「とりあえず丁子乱れである事は分かるが刀工名どころか時代などもさっぱり見当が付かない」と言う状態だとすると、「直ぐ丸帽子=石堂、乱れ込む=一文字」と言う事で入札をすると、運悪く多々良長幸と言う事が無い限り、結構な確立で当ると言う事ですね(^^)
しかしもうすこし判断が出来る状態になりますと、丁子や丁子混じりの刃、映りが有る、そして鎬に柾気も感じるが完全では無い。 匂い口もふんわり柔らか、しかし手持ちが重い・・・。
石堂か、それとも一文字か。 「当り」か「時代違いイヤ」か(^^) で迷う事が出て来ると思います。
その時、一応古い一文字には見えるけれど、「帽子が直ぐ丸なので石堂」としてしまうと、後悔の入札になってしまうかもしれません。 これが先日書いた、「一点だけを見て鑑定をして行くと、けっこうな確立でハズレます・・・。」です。
そしてもう少し沢山見て慣れてきますと一応石堂と一文字の見分けは容易になって来るのだと思います。
そしてまた全く減っていない一文字を見てしまい、石堂との区別に自信が無くなったりと・・・。
いやはや刀は沢山あるものですね。