辿り着いたかな・・?!

時々全面打ち粉によるヒケ傷で覆われた古研ぎで、状態は良くないが妙に魅力的で野趣と雅味が混在する様な研ぎを見ます。
(こういう刀に継ぎ研ぎをするのはかなり厄介で、前後に合わせて汚しをしてもなかなかしっくり来ません。)
はじめ、この独特な状態は打ち粉による長年の手入れの結果だと思っていました。
しかしどうも違う。 
普通の研ぎに打ち粉を打ちそして拭う事を何時間か繰り返し、打ち粉のヒケで覆っても、その状態には成りません。
打ち粉だけでは無い事に気が付き色々と試行錯誤を始めたのが10年ほど前。
1年ほどでこれだと思える研磨法は見つけた様なのですが今一歩及ばず・・・と言う状態だったのですが、どうやらようやく辿り着けたかもしれません。
解っている人に教えてもらえば5分で終わるのでしょうが、10年かかってしまいました(笑)
しかしなにせ野趣がありますので通常は使えませんが、もしも自分が気に入る末古刀を手元に置ける様な事になったら、こういう仕上げで楽しみたいものです。(鎌倉時代の刀が合うと言うイメージは持てません。応永備前などにはこの手の研ぎで映りを見事に表現した物を見ます。)