錯視

今日少しバラエティー番組を見たいましたら、「錯視(さくし)」の話題をやっておりました。
目の錯覚の事です。 
夜八時の番組ですのでご覧になられた方も多いかと思います。
例えば、

画像

この画像ですが、図のAとBが同じ色だと言うのです。
いやいやどう見たって違うやろ!ってな感じなのですが、残念ながらAとBは同じ色なのです(^-^;
疑り深い方は保存して印刷して、カットして、合わせて見て頂いたら分ると思います。
しかし、印刷してカットして合わせる直前まで、やはり全く違う色にしか見えません・・・。 私もやりました(^-^;
先日来拭いを作っておりますが、拭いの色合いも単純では無い面があります。
凄く濃く(黒く)拭いを入れたとしても、刃取りを地味にすれば拭いの濃さはさほど目立ちません。
少し薄めに拭いを終えたとしても、派手な乱刃で刃の谷を深く白く刃取れば拭いは黒く見えます。
濃い拭いに派手な乱刃を派手に刃取ると、拭いはより濃く見え刃取りはより白く派手に見えます。
また鎬地の色も関係します。
鎬地をあまり黒く磨き過ぎると拭いが薄く感じられてしまい、鎬地を薄い色に仕上げると拭いが濃い色に見えます。
地の青みなども、刃取りに関連している場合が多くあるものです。
そしてもちろん刀が持っている本来の鉄色も拭いの上がり具合に大きな影響を及ぼしております。
拭いに関して、なんとか自分の思い描く拭いにならないかと色々と試行錯誤を重ねました。
もう10年以上前になりますが、「本当になんとか私の中に有る拭いの謎を解決したい!」と言う思いから、思わぬルートで入手した、私がそれまでに一番驚愕した性能の拭いとその他数種の拭いをとある会社に成分分析に出した事が有ります。 
私などではよく分らない単位まで成分を正確に分析して頂きました。 一眼レフデジカメが買えるくらい料金が掛かりました(^-^;
さぞかし色々な材料が入っているのだろう、そしてそれが解明されればその材料を入手さえすれば理想の拭いに到達出来るのだ!と期待しほくそ笑んだ事を思い出します。
しかし私が一番理想とした拭いの成分分析の結果はなんと、鉄肌99.9%という様な結果でした。
残りは乳鉢が擦れて混ざった極微量な成分です(^-^;
なんとも思いもよらぬ結果で驚きでした。
当時の私がたまたま一番理想とした拭いがそう言う材料であったと言うだけで、当然それが全ての答えだと言う訳では無いのですが、難しいと感じる様な事も意外と目の錯覚程度の事や、その工程以外に大きな力が有ったりする訳なんですね。
なかなか複雑なもんです(^^)

画像

前の記事

金房左衛門尉政定

次の記事

當麻寺(当麻寺)