包真(手掻)
18回目は大和手掻です。金象嵌銘で包真。
室町時代の手掻派の作品は末手掻とよばれ、包真も通常末手掻に分類されますが、包真初代は包永門で時代を康安(南北朝期)といいます。
大和五派は室町時代に近づくと大きく衰退し、保昌、尻懸は辛うじて作品を残しますが、千手院、当麻はほぼ消滅(移住など)、唯一手掻派のみが盛んに作刀を続けます。
その末手掻の作品も大和色は次第に弱まり、柾肌は目立たなく、造り込みも尋常な物へと変化して行きます。
押形の包真ですが、柾肌こそ目立ちませんが、身幅広く、鎬は高く広く、未だ大和物然とした姿態を残す作品。
砥当たりも柔らかで、地味ながら味わい深い直刃を焼いており、南北朝期は下らないものと見てよさそうです。