若狭砥
刀剣研磨の地艶工程に使用する砥石を鳴滝と言う。
”鳴滝”とは地名で、砥石で言う場合はその近辺や特定の山で採掘された石をそう呼ぶ。
しかし刀研師が地艶の事を”鳴滝”と言う場合、実はどの山から採れた石かを意識しない事が多いかも知れない。つまり刀剣研磨の世界では”鳴滝”と言う呼称は産地を指すと言うよりも、地艶砥の総称として使われているのではないかと感じる。
結果、地艶として流通する砥石には様々な山の石が入り混じるわけだが、その中に若狭砥がある。
若狭(福井県)で仕上砥が採れる事は仕事で刃物を研ぐ人や刃物研ぎが趣味の人意外にはあまり知られていないかも知れない。
硬質な物が多く、研磨力が強い。よい石に当たれば上質な地艶として使用出来るはずだ。
残念ながら今日試した石は地を引く。地艶としては致命的。研磨力は強いのだが・・。