古い時代に採掘された砥石を試す
初見では水木原かと思ったが濡らして見ると水木原とは違う蓮華がある。
しかし長らく見ている現行の内曇とも違う所が大変興味をそそる。
刀剣研磨に使用され「内曇」と呼ばれる砥石は一般には大平山の物を指す。(内曇砥とは通常は天上巣板を指し、他にも内曇砥を産出する山はある。そしてその中には刀剣用として優れた性質の物もある)
かつて大平山にはいくつかの採掘口があり坑道が広がっていた。
しかし他の殆どの山と同じく、様々な理由から閉山し、大平山では石原砥石工業所さんの採掘場だけが残り内曇砥の供給を続けていた。
私は詳しい位置関係を知らないが、よく耳にする話では、石原砥石工業所さんと日本砥石砿業さんが山の両側から採掘を行っていたそうである。
今日試した砥石は既に閉山しているが日本砥石砿業さんが採掘した大平山坑道から産出した古い時代の砥石だ。
早速砥石試し用小刀を当てて見たが、非常に明るい砥石であった。
しかし少し絞まり気味で筋も多く使い辛い石でもあり、改めて時間を掛けて試してみたい。
因みに、近年並川平兵衛商店さんが、閉山していた大平山の採掘場を再開させたと聞く。
研師にとっては非常に明るいニュースである。