来派

山城国来派の全身押形です。

1 太刀 銘 国行(国指定重要文化財/令和7年文化庁の許可の下、研磨・押形採拓)
2 太刀 銘 国行(重要美術品)
3 太刀 銘 国行
4 小太刀 銘 国行
5 太刀 無銘 来国行(柏原美術館蔵)
6 刀 無銘 来国行(京都国立博物館蔵/平成30年度、京都国立博物館館蔵品修復事業に於いて、記録として全身押形採拓)
7 刀 額銘 国俊(二字国俊)(国指定重要文化財)
8 太刀 銘 来国俊
9 太刀 銘 来国俊(特別重要刀剣)
10 刀 金象嵌銘 来国俊 本阿(花押)(重要美術品)
11 太刀 銘 来国光(令和2年度、黒川古文化研究所館蔵品修復事業に於いて記録として全身押形採拓)
12 刀 無銘 来国次(特別重要刀剣)
13 短刀 国行(再刃)
14 短刀 銘 国俊(二字国俊)(特別重要刀剣)
15 短刀 銘 来国光
16 短刀 銘 来国光
17 脇指 銘 来国真(重要刀剣)

(1)の重文国行太刀は来国行の陽の造り込みの代表作として知られ、名品刀絵図聚成はじめ多くの書籍に掲載されています。
地刃ともに国行の特徴が顕著で、比類のない健全度は流石重文。

(2)の重美国行太刀は現在刀剣博にて展示中で、来派にある陰陽の造り込みの中間的存在です。茎も含めた全身の姿で見ると腰反りに見える姿となっています。

(3)の太刀は少し区を送っていますが、表裏の全身押形で見ると、綺麗なレンズ型の配置となる京反り姿です。

(4)は在銘の小太刀。来国行の小太刀は作例稀で、貴重な作品です。

(5)は少し区を送る無銘の太刀で、流れごころのある鍛えに錵映りがみられます。刃文は直刃調に小丁子・小互の目・小乱れを焼き、(2)の太刀同様に物打から帽子にかけて穏やかになる作風です。

(6)は大磨上無銘で来国行の極め。(5)同様、鍛えに流れがあります。

(7)は埋忠銘鑑にある重文の額銘二字国俊。京反りですが先に更に反りが加わり、先幅広く猪首風の鋒と相まって非常に力強い姿です。この太刀も(1)と同じく棟焼きが顕著です。

(8)は生ぶ茎で、鑢の掛け出し直ぐから”来国俊”の銘を切ります。よく詰む地鉄に細直刃を焼き、茎を含めると腰反りの優美な姿で、来派の陰の太刀。

(9)は磨上て茎尻付近に来国俊の銘が残る陽の太刀。刀剣美術名刀鑑賞掲載品で、その解説文では「正に二字国俊さながらの豪壮な太刀姿」とし、二字国俊・来国俊同人説を裏付ける資料としてこの太刀を位置づけています。

(10)の重美刀は大磨上無銘で、本阿弥光常の金象嵌に光忠の折紙が附帯。徳川将軍家より大和郡山藩柳沢家に下賜された品で、その旨徳川実紀に記載。

(11)は来国光太刀。磨上て茎尻付近に銘が残ります。こちらも焼き高く健全で、茎尻まで含め、力強い京反り姿です。

(12)は大磨上無銘の来国次。地刃共に非常に健全で、一見すると新刀に見誤るかも知れません。しかし現在京都国立博物館で開催中の「特集展示 縁(えにし)を結ぶかたな—国宝・重要文化財で学ぶ刀剣鑑賞—」に出陳の埋忠磨上の額銘来国光(重文)を見れば完全に来と分かります。

(13)は来国行の在銘短刀。来国行には在銘の寸延短刀が一口のみ存在するされ、特別重要刀剣に指定されています。
本短刀は近年新たに出現しニ口目となった国行在銘作で、惜しくも再刃ではありますが頗る貴重な資料です。

(14)は二字国俊短刀。二字国俊の短刀は重要文化財の愛染国俊のみとされてきましたが、本短刀が発見され、二口目の二字国俊短刀として世に知られる事となりました。

(15)は来国光短刀。詰む地鉄に錵映りが立つ典型作です。

(16)も同じく来国光短刀ですが、こちらは地錵付き細かに地景が入る地鉄に、端正な細直刃を焼き、新藤五を見る様な出来です。

(17)の来国真は、在銘の現存作が数口に限られる稀少な作品です。伊勢の神宮の太刀、東博の寸延、そして本作ともう一口の重刀指定品が知られます。



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