6月入札鑑定

1号 刀
踏ん張り付き、腰反り、先も反る。刃線張らず若干細め。鎬高い。
よく詰み良い鉄。備前の映り。種々の互の目、少し腰開く。砂流し目立つ。帽子一枚で返り深く焼き下げ。
表裏の腰に梵字と蓮台。
出来の事は記憶に無いが、この表裏の変わった位置と組み合わせの彫りには覚えがある。が、何だったか思い出せず。。
末備前だと思うがそれほど末までは下らず中期だと思う。
祐光と入札。

2号 刀
反り浅。地強い。錵出来の互の目、尖り交じり。焼き出し無し。裏に打ち寄せ合う互の目2箇所。全体に小詰む。帽子丸で返り太く長めで倒れ気味。
いつもより少し荒いがこのタイプは親国かと思う。
親国貞と入札。

3号 脇差
造り込み尋常。良い地鉄で平地から鎬地まで同質。差し表の平地に地斑風あり。中直刃。横手下より焼き幅広くなり帽子深く先下がる。
匂い口のラインが硬く止まらないが地斑風なので肥前だと思う。代別は分からない。全体の雰囲気は3代の気がするも確率で選ぶ。
近江大掾忠広と入札。

4号 脇差
幅広で反る、大鋒(10㎝超か)。棟先も反り、力強い姿。
一見無地風の地鉄だが地錵が付き良質。頭の出入りは少なめの互の目丁子。所々荒錵。丸留めの棒樋。
苦手なのが来ました。。多分固山なんでしょねぇ・・・。
帽子の先が昔研磨した長信の匂い口に似ている気がする。
高橋長信と入札。

5号 脇差
平身。応永備前姿。幅狭め。フクラ枯れるも後天的。応永杢。淡く棒映り風。互の目で総じて焼き低め、小詰む。棒樋。
長船師光と入札。





1号  刀 銘 備前国住長船宗光
        明応六年八月吉日
2号  刀 銘 和泉守国貞(真改若打ち)
3号 脇差 銘 肥前国陸奥守忠吉
4号 脇差 銘 固山宗次作之 天保十年八月日
        於武州千住太々弐刃土壇拂 切手山田五三郎
5号 脇差 銘 康光

全部同然というのも珍しい。
後で確認すると1号が出ていたのは2022年の鑑定でした。その時も同じく祐光に入れていたという・・・。
同じ間違いを繰り返すよくあるパターンです。
入札鑑定記 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)

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