肥前刀、内曇を引く

これの内曇を引く。
先日、細名倉までの工程は大変良い砥当たりだと書いたが、内曇も引きやすいとは限らない。
という事で、やはり内曇工程は少々苦労をする事になった。
近年メインとして使用してきた内曇砥は軒並み効かず、久々にHP「天然砥石比較」の砥石№61を砥台に。
天然砥石比較 60,61 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
この砥石、比較的柔らかい砥石という認識で使用していた時期もあったのだが、「砥質が硬く研磨力も弱い」との認識へと変化し使わなくなっていた。
久々の使用の結果、砥石№20,22,23,24,25,26と同質、或いは非常に近い砥質と判明。
天然砥石比較 20 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
天然砥石比較22〜26 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
これらより多少硬い気もするが、研磨力は非常に高い。
砥石比較ブログを書いた当時、砥石№61の研磨力を「4」としていたが「6~7」に訂正したい。
結局この肥前刀はかなり硬い鉄という事になるのだが、硬さと研ぎ難さは必ずしも比例するものではない。
今回の様に硬い鉄であっても細名倉までの下地研ぎでは非常に良い砥当たりと感じる事もある。
そして今は内曇に苦労している訳だがこの後仕上げでも苦労するかといえば、それもまた単純ではない。
この刀は「差し込み研ぎ」で研ぎ上げる予定だが、おそらく非常に研ぎやすいと感じながら仕上げ研磨を進める事になるだろう。

前の記事

研磨諸々