入札鑑定記

コロナの影響で中止になっていた山鉾巡行が3年振りに開催されました。(写真は宵々山の長刀鉾)
観に行きたい気持ちを抑え、今日は入札鑑定会へ。

1号 刀
反り7分弱か。総柾。研ぎの具合でちょっと分かり難いが多分鎬地も柾目。柾が少し大きい。
匂いベースの直刃調で荒錵が付く箇所が全身に多数。荒錵による湯走りも。錵乾く。
帽子は丸で掃掛けというか火焔風。

国包の刃とは全く違う。末保昌と見える出来だが、末保昌の在銘は普通は無く、1号に置かない気がするし・・・。
ちょっと分からないので、仙台安倫と入札。


2号 刀
反り浅。重い。よく詰む。新々刀丁子。全体に映り気はあるも暗帯部を伴う明瞭な物ではない。
固山か宗寛だが鑑別法が分からず。

映りが明瞭じゃないので宗寛と入札。


3号 刀
少し反り気味。鎬が高く棟重ねが薄い。丸棟。腰に梵字と蓮台を表裏に。
大変良く詰み美しい地鉄。映りも全身に渡り美しく現れる。
刃文が少し異風で、腰開く互の目もあるが、角の丸い箱風やらなんやらかんやらと複雑に。帽子一枚。返りが太く、丸い互の目を間を詰めて長く連ねる。変わった刃だが地鉄由来の匂い口の密度で、きめ細かく良い刃。

造り込みは完全に藤島で、この刃文も藤島であってもおかしくは無いが、流石にここまでの地鉄は無いと思う。
長船祐光と入札。


4号 短刀
寸延びか。幅広。反りあり。棟寄り目立って柾。研ぎでパリッと仕立てた越前鉄。
刃文大湾れ。匂い口肌に絡む。

初代康継と書こうと思うも、2,3代でも有るよなぁこの地刃・・・となり、康継と入札。


5号 短刀
ザングる。フクラ枯れ気味。表裏2個づつ逆風の互の目。後は穏やか。

見た瞬間、堀川鉄と美平が混在。どちらを取るべきか。。
出羽大掾国路と入札。


時代違いイヤ



国入り

1号 末保昌と入札。
5号 美平に。





1号  刀 無銘 (保昌)
2号  刀  銘 應金田昌言需 備前介宗次作之 
         嘉永七年二月日 
3号  刀  銘 備前國住長船宗光
         明應六年八月吉日
4号 短刀  銘 於武州江戸越前康継(初代)
5号 短刀  銘 山城國埋忠慶隆(東山美平)



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