”地を引く”

昨日のブログで「効く効かないよりも、地を引くか引かないか、そういう判断で良い時代だったのではないか」と書きました。
書きながら、ちょっと間違った事を書いてるなぁと思いながらも、そのままにしてしまいました。
一応訂正といいますか補足しておくと、内曇りには地を引く砥石はめったにありません。
特に刃砥ではほぼ無いというくらい少ないです。
(”地を引く”とは内曇り工程の地引(じびき)や地砥の事ではなく、ヒケ傷が入るという意味です。研ぎ台や水を清潔にしても、砥石中の硬い成分により、どうしてもヒケ傷が入ってしまう物が有るんです。)

天然砥石は見た目に綺麗な物ばかりではありません。筋や皮やと硬い部分がある場合も多く、その箇所は刀にヒケ傷がつく物もありますので、事前に掘り取って安全な状態で使用します。
ここでいう地を引く砥石とは、筋などではなく、綺麗に見えてもどうしてもヒケが入る砥石です。
しかし内曇りは基本的に綺麗ならばヒケは入りません。今研ぎ場には百数十の内曇り系の砥石がありますが、地を引く砥石は一本だけです。
たまに趣味の研磨の方が刃引き写真を載せ、ヒケが入るので石が悪いやら刀に合わないなどと書いているのを見かけますが、まずほぼ100%、砥石が悪いのではなく引き方が悪いのです。

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