井上真改(重美)
42回目も大阪新刀井上真改、重要美術品指定の刀です。
前掲の真改に比して一見大人しく見えますが、美しくも強さの有る地鉄に匂い深く錵厚く付く刃文を焼き、実物を手にすれば全くその様な印象は受けません。
真改は江義弘に範をとったと考えられていますが、中でも江が独自の作風を完成させた後期作を狙ったと思われ、本刀もそれに成功しさらに真改独自の魅力も加味し、貫禄と品格を備えた出来となっています。
この数年で手に取った重美指定品は三十数口程度ですが、その内新刀は2割以下。
新刀重美の研磨はこの真改が初めてとなり、貴重な経験を積ませて頂く事が出来ました。