土屋押形を
中央刀剣会が大正15年に発行した土屋押形(上中下巻)を入手しました。
これ、ず~っと欲しかった本です。
大正十五年発行とは思えないコンディション。
内容はイメージしていた物と全く違い、体裁が整った大変美しい押形に端正な文字。
「温直さん素晴らしい!」と最初はちょっと感動していたのですが、いや待てよ・・・ですよ。
「刀剣銘字大鑑 原拓土屋押形」(全10巻)は、この中央刀剣会の土屋押形のような筆写押形図ではなく拓本押形です。
文字もこの様に整ったものではない・・・。
私はず~っと「土屋押形原本」が欲しいと思っていました。 そして勝手に、この中央刀剣会発行の土屋押形が”土屋押形原本”だと思い込んでいたんです。(最初は分かって居たはずなんですが途中から間違った認識に変わってしまっていたと言うのが正しい)
結局この本は、温直の手によるものではなく写本なのです。(しかし、この本の発刊には大変な苦労があったそうです)
ずっと原本だと信じていて(勝手に)ようやく入手した私は、大ショックです。
しかし、数十年間集めた大切な押形のほとんどを焼失した温直さんに比べればこんな事は大した事ではありませんね。
因みに、久々に刀剣銘字大鑑第一巻の序を読むと、所謂”土屋押形原本”は本間先生が”長年お預かり”と書かれていました。
刀剣書籍紹介日記 刀剣銘字大鑑 原拓土屋押形 第一巻ア-カネ見次-兼景