磨き
最近古い刀と新しい刀で磨きに苦労する物が有りました。
(「磨き」は仕上工程の一つで、磨き棒を使い鎬地や棟を鏡面状に仕上げます)
磨きで苦労するとはどう言う事なのか?! ちょっと分かり難いと思います。
鎬地はただ鏡面状になっているのではなく、研師の苦労の結晶なのです(笑) ・・・いやほんとに。
刀剣鑑賞の場で、刃取りや地鉄の仕上りに関する鑑賞者のコメントは度々耳にしますが鎬地の磨きに関しては聞く事がありません。
もしも聞くとしても鎬地の肌の出具合の事でしょうか。
鎬地は鑑賞や鑑定の対象とは成り難い部分なのでしょうね。
打ち粉は地の状態を変え、刃取りを白から茶へと薄めて行きますが、鎬地もどんどん曇らせます。
その曇った鎬地に磨きを掛けると殆どの場合大変スムースに仕事が進みます。
そう言う原理を普段の仕事に使うと綺麗に磨けますが、つまづくと酷い深みにはまってしまうのも磨き仕事です。