尻懸
14回目は大和物、大磨上げ無銘の尻懸です。
鎌倉時代から南北朝時代にかけての大和には、千手院、保昌、手掻、当麻、尻懸と五大流派があり、大和五派と呼ばれています。
大和物に在銘の品は少なくその多くが無銘ですが、少ないながらも各派に在銘の品が残っており、それらが現在の無銘鑑定の基準となっています。
また古来よりの無銘鑑定の掟といいますか傾向もあり、大和物に対してもそれらを総合した判断が行われています。
さて押形の刀ですが、鎬が高く手持ちの重い大和物然とした造り込みに、柾気の強い地鉄、柾肌に絡む働きが豊かな刃文に、尻懸極めの要となる互の目が目立つ出来となっています。