国分寺助国・法華一乗

以前研磨させて頂いた国分寺助国と法華一乗の短刀を撮像して頂きました。

国分寺助国国分寺助国押形
(撮像:中村 慧)

短刀 銘 (備)州国分寺住人助国作
     (嘉)暦二年正月日

銘の切り出しが高く、摩滅により表裏一文字目が判読出来ませんが、「備」と「嘉」であったと思われます。
国分寺助国は過去三振り研磨させて頂きましたが、いずれも一度見ると忘れる事の無い独特の肌合いでした。
文字にすると「肌立つ」という事になりますが、それだけで伝え切れるものではなく、この様に画像化する事でより正確に感じ取って頂けると思います。
(平成三十年三月広島県重要文化財指定)
法華一乗短刀kokubunji_sukekuni_oshigata_20181221
(撮像:中村 慧)

短刀 銘 備後国住一乗作
     応永十八年八月日

在銘の法華は少なく、拝見する機会も多くはありません。 時に「一」のみを切る法華を見ますが、あまり知られていないためか備前一文字の偽銘として扱われる事もしばしばです。
法華刀中おそらく最も有名なのがこの短刀で、光山押形、日本刀大鑑、日本刀随感、有銘古刀大鑑、藤代刀工辞典、神津伯押形、日本古刀史等多くの書籍に所収の品です。
私もこの短刀は以前より各書で知ってはいましたが、いずれの書もこの地鉄の良さへの言及がなく、法華の地鉄の素晴らしさをお伝え出来ればと思いこの度撮像をして頂きました。
地錵と地景が美しく、南北朝期の風情を残す地鉄です。

次の記事

全身押形を描く