短刀入札鑑定会
鑑定の当番でしたので今回は短刀(含寸延)ばかり10口での入札鑑定とさせて頂きました。
鑑定刀(製作年代の新しい物から古い物へ順番に並べさせて頂きました)
1号 脇差 銘 表 吉野山人國平之
裏 平成聖代結ふ 刃長 35、5㎝ 反り 0、4㎝
2号 脇差 銘 表 大和住月山貞伸造(花押)
裏 平成三十年季夏 刃長 33、4㎝ 反り 0、4㎝
3号 短刀 銘 表 播州住隼光作
裏 平成二十四年盛夏 刃長 20、0㎝ 反り 無し
4号 脇差 銘 表 加賀國住両山子正峯作
裏 昭和戊申二月吉日 刃長 31、5㎝ 反り 0、3㎝
5号 短刀 銘 表 宮入昭平作 (棟)越後國昭忠彫之年六十六才
裏 昭和乙巳年秋吉日 刃長 24、8㎝ 反り 無し
6号 脇差 銘 表 相州住正広
裏 文明元年弐月日 刃長 45、8㎝ 反り 0、5㎝
7号 脇差 銘 表 三条吉則作 刃長、37、0㎝ 反り 1、0㎝
8号 短刀 銘 表 長谷部国重 刃長 26、0㎝ 反り 0、2㎝
9号 短刀 銘 表 備州長船義光
裏 興国六年酉乙三月日 刃長、23、8㎝ 反り わずかに内ぞり
10号 短刀 無銘 当麻(附)享保四年本阿弥光忠折紙
刃長、24、0㎝ 反り 内反り
入札鑑定に参加される方から「現代刀を当てるのは難しい」との声を聞く事があります。
入札鑑定の現状を見ると、仰る事はごもっとも。
当たらない理由は簡単です。現代刀が出題される機会が少なく、入札鑑定に参加しているだけでは現代刀の知識を得られないからです。
という事で今回は現代刀を少しでも知って頂くべく、10口中5口を現代刀とさせて頂きました。
古い刀も新しい刀も、鑑定のセオリーは全く変わりません。流派や刀工個人の個性を発見し入札につなげます。
現代刀には個性的な刀が沢山あります。特徴を明確に現す流派も多数ありますし、刀工個々の研究工夫から独自の世界を確立した作品も。知る程に楽しいのが現代刀です。
中には一度見たら忘れられない作風の刀もあり、今回も個銘を的中させた方も居られました。
今後も現代刀を知って頂く機会が作れたらと思っています。
この度も大切な御刀を鑑定会のためにご提供下さった皆様には、心より御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。