「京都刀剣まつり」が開催されます

今年も恒例の「京都刀剣まつり」が開催されます!

場所 京都市勧業館(みやこめっせ)
日程 5月2日(土) AM11:00~PM4:40
     3日(日) AM 9:30~PM4:40
     4日(月) AM 9:30~PM4:00

出展業者さん等、詳しくはこちらを→ http://www.kurayahashimoto.com/katana/sell.html



「京都刀剣まつり」ですよ!

今年も恒例の「京都刀剣まつり」が開催されます!

場所 京都市勧業館(みやこめっせ)
日程 5月2日(土) AM11:00~PM4:40
     3日(日) AM 9:30~PM4:40
     4日(月) AM 9:30~PM4:00
出展業者さん等詳しくはこちらを→http://www.kurayahashimoto.com/katana/sell.html

今年の連休は良いお天気だそうですよ!是非京都へお越し下さい!!

映り
(画像はイメージです)



犬追物

毎日深夜まで仕事でほぼ死んでいたので今日は朝から京博へ行きリフレッシュする事にしました。
IMG_2683
今は本館で特別展覧会「桃山時代の狩野派  – 永徳の後継者たち – 」が開催されています。(画像は平成知新館)
絵の知識はありませんが、「いい拵え差してるなぁ」「こんなに皆が差してたらそりゃ刀は沢山あるわぁ」などと、桃山の風俗が感じられ大変楽しめました。

さて、先日両刃短刀の事を調べようとなんだかんだ書籍を漁っていると、楽しい記事に色々当たってしまい脱線ばかりで困ったのですが、中に上杉家の刀剣調査の連載がありました。
上杉と言えば山鳥毛。時代拵えを好む方は山鳥毛、姫鶴一文字、高木長光、そして唐かし和(長谷部国信)に掛かる鐔無しの合口形打刀拵は必ず押えておかなければと言う所だと思います。
私も山鳥毛と姫鶴の拵えが好きで、各書の解説などを読みましたが、鐔が無い理由について大体は「謙信の嗜好によるもの」との内容です。
先日読んだ記事では、大部隊の指揮官が馬上戦で万一太刀を失してしまった場合の予備として背負っていたのではないか、或いは「”鐔は不要なり”という心意気の表示」などでした。

今日の狩野派展で見た物に「犬追物図屏風(狩野山楽筆)」がありました。
犬追物とは武士の弓馬鍛錬のため、疾駆する犬を馬上から射るものだそうで、鎌倉時代以降盛んに行われたようです。
この屏風に描かれた馬上にある射手は皆、鐔無しの合口形打刀拵(桃山拵風)を差していました。

上杉の鐔無し合口形打刀拵に犬追物用の拵えとの解説を一度も見た事がありません。
拵えは消耗品で古い物は殆ど残っておらず、検証に現存の絵画を用いるのは当然の方法ですので、言われて居ないという事は既に否定されている事なのでしょうか。
犬追物の時は鐔を外してから行うという作法が有るのでしょうか。
お笑い芸人さんが転倒した時、ワイヤレスマイクの機器で腰を強打し悶絶するシーンをよく見ますがあれを防ぐのと同じ意味で。



少数派ですね

刀に携る職業「刀職」。
刀鍛冶、彫師、鞘師、白銀師、柄巻師、塗師、研師など、一振りの刀を仕上げるには多数の職人の手を経ます。
刀職に就く人は例えば「学生時代、博物館で見た刀に魅せられて」「小さい頃から刀が好きで」などの場合や或いは刀職の二代目、三代目の方など、刀に興味が有る、またはそう言う道筋が有った方が殆どではないでしょうか。
過去にも度々書いたかと思いますが、私は単に就職先の一つとして刀職に就いた少数派です。
刀を見た事もありませんし興味もゼロの云わば”まっさら”状態で弟子入りしました。(高校三年の時郷里で、釣った鮎を売りに行った旅館で刀が有り、ほんの一瞬だけ見た事はありました。真っ黒い拵えに入った大磨上無銘幅広の刀。江戸期の拵えに入った南北朝の刀だと思う。そう言う品が田舎にはぽろぽろ眠って居ます)
もう23、4年ほどになりますか、研ぎ場で初めて見せられた刀、明治の月山貞一と大磨上無銘大切っ先刀(義景か)の美しさ、聞かされた値段の高さの衝撃は今でも鮮明な記憶です。

先日NHKで有名鮨店の大変高齢の鮨職人さんが言っていました。
「就いた仕事が天職だ」と。

何故研師になったのですか?とよく聞かれますが、単に就職先の一つとして就きましたと正直に言う事にしています。そして研師が天職だと思うとも言っています。
好きでこの世界に入りその職を続けて居る方は正に天職そのものだと思います。
しかし私も後発ながら、刀の魅力に付かれた一人です。
ただ、もしも刀職以外に就いて居たとしても、首にならない限りはその職を続け、天職だと言っている気がします。
就いた仕事が天職だと。



鐔を買った

先日の記事で寛正の両刃短刀の事を少し書いたが、さらに数年古い年紀の品が存在するという事をお教え頂いた。
それは然る名家に伝わる品で未鑑定ではとの事で真贋は不明。 しかし世に出ていない楽しみな品は沢山ある。

どなたの本か忘れてしまったが、武士の数などから換算し、刀は500万振り程度あるのではないかと言う話であった(諸説あるようだが)。
現在登録されている刀は300万振り程度だが、500万振りが本当ならば、大戦で多くを失したとはいえまだかなりの数が眠って居るはずである。
こういう事を書くから掘り出し物を期待して失敗する人が出るのかな・・・。

ネットで鐔を買った。
高いと思いつつも、これを逃すと一生出合えないかも・・などと在り来たりな衝動に負け落札してしまった。
小道具は現物と画像では色が全く違う事が多く相当注意が必要だと言う事も、深夜の入札は危険と言う事も分かっては居る。
ここまで書くと落ちが見えるところだが、実は届いた鐔は非常に良い品だった。
私の好みの中の現在のところの最上級。
こういう事を書くから掘り出し物を期待して失敗する人が出るのか。



刀剣入札鑑定会

ここのところ支部に若い方が来てくれる様になり、活気があり非常に嬉しい。
皆さん本当に真摯に勉強されています。

 

一号 太刀

輪反り。平肉付くも重ね薄めで軽い。棒樋。小さめな切っ先。定寸ほどか。備前物。小詰む刃。南北よりは時代が上がらない刃が腰に。

小反りです。
全体に頭が低いので師光と入札。

 

二号 刀

中の反り。身幅しっかりとし、重ね少し厚め。手持ち重い。詰み流れる肌。鎬寄りによく映る。匂い口絞まる直の刃だが、逆足とも逆調の互の目とも取れる刃が全体に。法華の様な帽子。

さて難しいのが来ました。過去に無銘でこの手の刃を見た事があるが極めを知らず。青江や元重とは格が違う。これは無理だ・・・。
海部氏吉と入札。

三号 短刀

反る。重ね薄い(ハバキにかなりすき間が有るので減りだと思う)。小さく、それほど詰めない互の目。倒れる帽子。疲れ映りが全体に出てフクラに元の地鉄が残る。裏櫃中に孕み龍。

上身の反りとフクラのラインが良く、振袖風で茎尻の浅い栗尻が眉間の先に浮かんだ。彫りもかなり減っては居るが茎を含めた刀身全体に非常に合った南北の物だと思う。

備前に行きたいが帽子を取ってこちらに。
直江兼友と入札。

 

四号 短刀

両刃。小さい。周波数は低いが綾杉風。ねっとり映る。直刃。

これは他国ではなく素直に古手の両刃だと思う。
勝光と入札。

五号 短刀

表菖蒲、裏平。なにやら彫りの跡が有るがよく分からない。刃文は互の目の間に錵が凝る藤原高田。

二号に続きこれも難しい・・・。裏の平ら加減が海部の平面を連想させる。
海部氏吉と入札。

国入り
イヤ
イヤ
国入り
イヤ

困った。

一号 一の札以外は思い浮かばず。 吉岡一文字と入札。
二号 打つ手無し。地鉄の雰囲気で。国分寺助國と入札。
三号 こちらに。         小反り成家と入札。
四号 ちょっと厳しいなと思いつつ、忠光と入札。
五号 分からない時の避難港。   冬廣と入札。

国入り
イヤ
同然
同然
イヤ

一号 畠田真守と入札
二号 東海道と教えてもらう。 相州綱広と入札。
五号 大和系だと教えてもらう。二王清貞と入札。

国入り
同然
同然
同然
通り

一号 太刀   備州長船吉次 永徳三年十一月日(小反り)
二号 刀    次廣
三号 短刀   備州長船貞末
四号 両刃短刀 備州長船盛重 寛正二年八月日
五号 短刀   正清(三原)

二号は後で気付いたが、過去に出た刀だった。その時も非常に悩んでいて、進歩して居ない事が分かった・・。
過去記事(一号刀)
三号貞末は昔、盛景・兼光風の姿の大平身を研磨した事が有るがそれと同種の銘だった。

四号両刃。寛正に両刃って。これは強烈に凄い資料じゃないのか。
両刃の時代上限に関する新発見の記事を何かで見た気もするのでとりあえず刀美を漁ったが力尽き、諦めた。最新号までの合本が有ったら幸せ至極。 過去に両刃の上限とされている時代を把握していないが20年ばかし上がるのではなかろうか。

今日の刀は私には難しい出題で大変なカロリーを消費した。
今日初めて来られた20代前半の若者の札を見せて頂いた。
札のあまりの筋の良さに本当に驚いた。 成川滉みたいな人は本当に居るのですね。
当然点数も負けました。

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信濃へ

水の流れに花びらを
そっと浮かべて泣いた人
忘れな草にかえらぬ恋を
想い出させる信濃の旅よ

残念ながら教養の披露じゃぁありません、五木ひろしの千曲川。 いい歌です。
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まだ満開の木が多くありましたが葉桜が好きなので。
この辺りの軒裏は丁寧ですね。風土からですか。

 



諸々

日々研磨。

今日は少し別の作業も。
茎が短く先へ重心が寄り過ぎる時、通常は鐔等で調整するが、茎尻に重りを入れて調整する事がある。
重り作成の依頼があり、残欠刀の茎を使用する。
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糸鋸で切る。
磨上げ茎でこの切断部の焼きは戻されていると考えていたが焼き戻されておらず、ここから先糸鋸が滑り進まず。
とは言え簡単に折れるわけだが。 ダイヤ鑢の無い時代、焼き戻さずにどうやって削ったのか。砥石しかないか。
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かっこいい重りが出来た。
柄に埋め込まれ誰の目にも触れない存在となる。

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川原で拾った石コロをカクカクに削りたいらしい。
普段は完全入室禁止だが特別に許可する。



ちょっと田舎に行って来た

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郷里へ。
桜満開です。
数年前、水害で荒れたんですが、川は元に戻っていませんでした。
ひどく荒れています。砂利で埋まってしまっている。

子供達は自然で遊ぶ事に慣れていないのでちょっとした事でも喜びます。
慣れていた私も大分忘れていました。
満天の星空と言うやつを見せてやろうと意気込んで行ったのに月が出ていて見られず。
月が出ていると星が見えない事すら忘れていて自分でも驚いた。
次は調べてから行かないと。