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兼氏(室町時代)

2020年04月16日【ブログ】

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太刀、銘 兼氏(賀茂別雷神社蔵)

4回目。
この太刀も前掲に続き、賀茂別雷神社への奉納刀で国指定重要文化財の社務日誌に同社への奉納記録が残る品です。
太刀銘で兼氏と銘がありますが、刀身は室町時代の作と思われます。
しかし出来はよく、板目の流れる古風な地鉄に明るく働き豊富な刃を焼いており、直江志津を一段と華やかにした、その様な出来となっています。

賀茂別雷神社HP

吉則(後三条)

2020年04月11日【ブログ】

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短刀、銘 吉則(賀茂別雷神社蔵)

3回目、山城国三条吉則二字銘の短刀です。
三条吉則は複数代あり、日頃目にする吉則の殆どが室町時代中期以降の作です。
この後代吉則は各地に駐槌し、和泉、三河、越前などの出先打ちを残しています。
さて本作は吉則二字銘で、南北朝時代末期乃至応永にかけての姿。
疲れはありますが未だよく詰み美しい地鉄を残します。
銘、姿、出来といずれも現存する三条吉則最初期、応永頃の物に合致し、賀茂別雷神社(上賀茂神社)に残る社務日誌(国指定重要文化財)に同社への奉納の記録が残る貴重な短刀です。

賀茂別雷神社HP

守次(古青江)

2020年04月09日【ブログ】

古青江守次
太刀、銘 守次(古青江)

2回目は古青江守次の太刀。
長寸で反り深く、生茎在銘、堂々とした太刀姿です。
現在でも十分手持ちの重い太刀ですが、茎の幅や重ねから、元来はかなりの豪刀であった事が想像できます。

則縄(福岡一文字)

2020年04月08日【ブログ】

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太刀、銘 則縄(福岡一文字)


長らく研磨記録ページへの押形UPを行っていませんでしたが、準備が出来たものから順次UPさせて頂きます。
まずはブログページに。

1回目は福岡一文字則縄の太刀です。
生で雉腿茎。
腰反りの太刀姿が美しい。
全身押形一番の利はこの姿が分かる事です。

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2020年03月20日【ブログ】

気が付いたら一ヵ月以上更新してませんでした。
日々研磨に勤しんでおります。

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先日、天然の名倉と細名倉と思われる砥石を頂戴しました。
大変貴重な石で有難いです。
中、細名倉は八年間ほど天然を使っていた時期がありますが、その後人造派に転じました。
久々にじっくり天然を試してみたいと思います。

某御宮様の御神宝の復元刀の全身押形を描かせて頂きました。
御神宝そのものと、復元刀の影打ちは既に描かせて頂いておりますが、大変光栄なお仕事です。

某御宮様ご所蔵の名物刀剣写しの全身押形を描きました。
本歌も以前描かせて頂いており、記憶が蘇ります。

賀茂別雷神社様(上賀茂神社)御所蔵の奉納刀研磨の様子を新聞に掲載して頂きました。
奉納刀三口の全身押形も作成。重要文化財の社務日誌に奉納の記録が残っており貴重な資料です。

2年半ほど前から刃文を描くのに青墨だけを使って来ましたが、先ほど久々に普通の墨(茶)を使ってみました。
長い修行から帰って来た気分です。次からは茶墨に戻します。
砥石もそうですが、ちょっと使ってダメだと判断してしまうと何年か後にその判断の間違いに気付く事があります。時には20年以上経ってからそれに気づく事も。
今回は2年半使ったのでもう大丈夫だと思います。
長い旅でした。。

 

断面の

2020年02月15日【ブログ】

応永移住系信国を鋸で切っていて、前から確認してみたかった事を少し。

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少々研ぎの処理が不十分だが、本などで度々見る刀身断面。
この手の画像は刀身構造の解説などでよく見かけるが、縦方向の断面を見たく次の加工を。

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棟側から卸して研ぎ進め、内曇りとナルメの後少し酸処理。
画像1の構造なので棟から研ぐとこうなっている。
写真にある刀身の両サイド、刀身表面(平地)付近の鉄は酸処理により少し黒い色になる。これは焼きが入っているという事。
皮鉄として別の鉄だからではなく表面なので焼きが入っているからだと思う。

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白熱灯に透かす。
うねる柾目。何層なのか数える事も可能。白い肌、グレー、黒い筋の混合。
ただこれはあくまで縦断面で、普段目にする刀の地肌はこの横の面(平地)。
うねって飛び出した部分が表面に出ると杢目や板目になる。そう単純じゃないとは思うが。。

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軽く地艶を。
先ほどの分かりやすい層は確認し難くなった。普段の研ぎ工程と同じ現象。

ここまでの肌は、研磨処理により現れた肌。
鉄の合わせ目は以下の画像。

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鋸による切断面には研磨後は見えなくなる鉄の層が見え、この状態で全身に、ほぼうねらず真っ直ぐの合わせ目となる。
この画像では白黒12層に見える。左から白で始まり右端は黒で終わる。
白、黒、それぞれがほぼ同じ幅。
研磨で現れる肌とは別の物といっていい。