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切断刀身

2017年06月20日【ブログ】

国内にはまだ多くの未登録の刀が眠っています。
研師をやっていると「刀が出て来た」という相談を度々受けます。
そういう時は「最寄りの警察署に連絡し、刀を持って行ってください。”発見届け”の書類が作成され、その後教育委員会の審査にて登録証が交付されますから安心してください」といったアドバイスをします。
しかし刀を初めて見る方の中には「大変なものが出て来てしまった」と慌てている方も少なくありません。
大丈夫ですからどうぞ安心して警察で書類を作成して下さいとアドバイスしても、「えらいこっちゃ!銃刀法違反や!」との気持ちでいっぱいのご様子で。
その様な場合の後日談を聞くと、「怖いから警察に持って行き廃棄処分にしてもらった」「知人の話では切ったらええんやとの事やったんで自分で切断した」など、大変悲しい結果が多いです。

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未登録を理由に小間切れに切断された刀身。
私にしては埋鉄の材料などとして活用できるので貴重なのですが、どう考えても惜しいです。
茎を見ると鎌倉期の物や貴重な在銘もあったりします。

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切断された応永年紀の園城寺信国を押形にしてみました。
美しく詰む地鉄に端正な直刃を焼いています。

刀が発見されたら登録手続きを行いましょう。
所持するつもりが無ければ刀屋さんに買い取ってもらえばいいんです。幾らかにはなるでしょう。
そうすれば大切にしてくれる人の元に渡って行きますから。

砥石を切る

2017年06月15日【ブログ】

新作刀の樋研ぎをと思ったが樋研ぎ用の良い石が無く・・・。以前から少なくなっている事が分かっては居たがなかなか手を付けられずにいて。
樋研ぎ向きの人造砥を準備しカットを。
せっかくなので少なくなってきている刃艶もついでにと倉庫をガサゴソやっていると、あれやこれやと切りたい石が大量になり、結局一日砥石切りになってしまった。
倉庫の砥石、しばらく見ないうちにどの山の物だったのか、よく分からなくなった物も多く、産地不明多数に。とにかく効きそうな妙な色の物ばかりを切った。
倉庫内の石は内曇りとして良い色の物より、へんてこで妙な色の石に異様な効きを示す物が多い。
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もっと沢山出来たつもりだったが、一日頑張ってこれだけか・・・。

天然砥石の値段

2017年06月11日【ブログ】

一部の天然砥石の値上がりが激しい。
好きな山の天然砥石の値段が数年前の20倍近くになっていて驚いた。
当時確か5000~7000円程度で買った木っ端が10万円。
5万円前後だった原版が100万円になっていた。
プロの職人が買える物では無くなった。

支部間交流入札鑑定会

2017年05月22日【ブログ】

本日は、昨年より始まりました日刀保岐阜県支部さんとの支部間交流会という事で、岐阜県支部支部長の近藤邦治先生と執行役員の若原利彦先生にお越し頂き入札鑑定会が行われました。

一号 短刀
身幅少し広め、9寸程か。身幅のせいか大きく見える。三つ棟。重ねは薄いが研ぎ減りの影響もあるか。このサイズとしては少し強めに内反る。
中直刃調でフクラ下が少し細くなる。白い肌が目立つ。全体に沸え映り風の形に映り。表裏に太めの護摩箸。帽子見え難いが小丸で返りは長くない。
棟焼きも無いように思う。

選択肢は色々引っ張り出せるタイプともいえる出来だと思うが・・・。
今回は岐阜支部さんからという事で、希望的観測も込め、兼元と入札(孫六の直刃を見てみたい!)。

二号 刀か
二尺三寸弱か。ウブと思う。身幅少し細め。経年で横手付近張らず優しい姿になっている。先にも反りが有り全体に優しく反る。
板目や杢目が鮮明。地景目立つ。暗帯部の狭い映りが強めに現れる。物打より上は暗帯広く。地斑風の映りと見える部分あり。少し小錵気味の直刃で刃中よく働く。
腰に樋。上に梵字。

3,4,5は美濃物のようだ。1号がもしも美濃ならば、これも美濃系だろうか。
映りが地斑風だがそれほど時代は上がりそうもない。
直江兼清、善定、坂倉・・・と考えてみるも違うと思う。
少々刃文が素直過ぎるが、美濃物と山を張り、美濃千手院と入札。

三号 短刀
菖蒲造り。身幅狭く小ぶり。重ね薄い。僅かに反る。尖らぬ互の目。よく詰む。

ちょっと迷うが兼定(ひきさだ)と入札。

四号 短刀
内反る。三つ棟。板目流れ。中直刃。腰刃(互の目二つ)。帽子寄る。

兼定(のさだ)と入札。

五号 短刀
内反り。三つ棟。板目で刃寄り柾。映る。尖らぬ小粒の互の目。

映りがあるが少し硬めのよく晴れる鉄。匂い口の態が少し後期の様に感じるが、多数いる美濃刀工銘とその時代区分が分からず・・。
著名刀工に入れるべきかとも思うが、3,4、と来てこの5で、同国刀工を考えるのは大変疲れる(良い意味の疲れです)。
イメージでは間を詰めた草の三本杉の人ですが、ちょっとこの人に入れてみます。兼基と入札。

イヤ
イヤ


一、二号は美濃じゃないですかぁ。ちょっと無理やり過ぎました。
一号 延寿国泰と入札。
二号、とは言え難しく、絞れず迷う。地斑風の映りもあり、刃中の働きも良く実は古くも見える。刃の小錵からも古備前まで持って行きたくもなるが他の条件がそろわず。腰樋と梵字が余計迷いを増幅。
こんなに働く地刃を見た事は無いが、信国と入札。
三号、兼定で能という事はおそらく流派よりも時代が違うと思われる。直江兼次と入札。

 

縁有
イヤ


一号 「場違い物は持ってきませんから」とのヒントを頂く。来国光と入札。
二号 本国物のみとの事なので、備前しかなくなった。「古く見えるが実はそれほど古くない」「小さい物を作る人」とのヒントが聞こえてしまい迷う。
近景でも将監長光でもなさそうで・・。
長船康光と入札。





 

 一号 短刀 銘 来国光

 二号 太刀 銘 雲生

 三号 短刀 銘 兼次(直江志津)

 四号 短刀 銘 兼定(ノサダ)

 五号 短刀 銘 兼元(孫六)

鑑賞刀装具

 古美濃 金無垢這龍図目貫

近藤先生にお聞きしましたら、岐阜県支部では美濃物の入札に対する判定はかなりシビアに行われており、数十年の時代差が有れば当たりには取ってもらえないそうで、さすがにレベルが高いです。私などは、美濃物は、「志津、直江、金重、為継、美濃千手院、関」くらいの認識しか持っておらず。。。
関物やその他美濃物を時代と流派ごとに分類せよと言われれば全くお手上げで。。今回の様に美濃物が数点並んだだけで、頭がパンクし、いかに美濃物について分かっていないかを自覚する次第です。
美濃刀に関する専門書籍を読むと、美濃刀の奥深さや魅力を感じる事が出来ますが、美濃刀専門書籍以外で見る美濃物に対する評価は不当な物も多くあります。
知れば知るほど良さの発見があるのが美濃物ですね。
関には一度しか行ったことがありませんがまた行きたくなりました。
http://kyoto-katana.at.webry.info/201210/article_16.html
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無題

2017年05月12日【ブログ】

太刀や短刀の全身押形をとったり、新作の下地研ぎを複数行ったり仕事関係の細かい用事をしたり、荷造り発送荷造り発送荷造り発送など。
40代、過ぎて行くのが速過ぎやしませんか。あぁ怖い。

研ぎ場にて在銘の古青江を三振り拝見。
ウブ茎、長寸で反りも一寸を超え力強い太刀姿。古青江独特の太く深い銘。少し沈み気味だが小錵出来で働き豊富な刃文。
典型的な縮緬肌に明瞭な地斑映りが全面に立つ。
映りは焼き入れによって発生する物で、その形状により名前も様々あるが、硬さや状態も一様ではない。
この古青江の場合、白く現れた映り部分より暗帯部の方が硬いようで一段高く残っている。
規則的かつ明瞭に現れる映りは大変美しい。

日刀保京都府支部4月例会 入札鑑定

2017年04月22日【ブログ】

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今年はゆっくり桜を見る時間もありませんでしたが、ちょこっと外出した時、雰囲気だけ味わいに平野神社境内を一周しました。
平野神社でのお花見は20年ほど前に一度だけです。なんだかあんまり覚えていませんが、”とにかく飲んだ”という記憶は残っています。

某日、府立文化芸術会館にて入札鑑定会

一号 刀
反り浅い。完全な柾目。直刃調。匂い口深い。帽子丸い。
綺麗な柾目で匂い口が深く明るい刃文。
総柾に直刃だが古刀ではない。仙台だと思うが初代ではない。

二代仙台国包と入札。

 

二号 刀
綺麗に反る。踏ん張り付く。詰んで美しい鉄。直刃と湾れ。匂い口に少し斑がある。
二代近江大掾にも見えるが初代初期の匂い口と刃の調子にも思う。

初代忠吉と入札。

 
三号 刀
大切っ先、互の目、荒い錵が付く。切っ先のフクラが少し張る。
以前出たようにも思うが考えても思い出せそうにない。この錵は全く違うとは思うが発想力の限界。

高橋長信と入札。

 

四号 脇差
鎬造りで短寸。腰が開く互の目。総体に焼き低め。応永杢。彫り口深く少し太い印象の素剣や梵字など。
先日調べもので康光の重刀図譜を多数見ていて、正長永享嘉吉文安頃の二代の指定品が以外に多く驚いた。
この脇差も康光か盛光かと思うが二代頃の時代の様に思う。が、根拠は薄く、あくまで”雰囲気”で。応永杢とは言うが、例えば寛正にもこの肌は見るし難しい。

長船康光と入札。

 

五号 短刀
重ね厚。先まで厚い。少し強めに内反る。直刃だが小さく尖り刃一つ。

善定兼吉と入札。

 

当り
当り同然
当り同然
同然
同然

一号 刀  奥州仙台住藤原国包(二代)
二号 刀  肥前國住近江大掾藤原忠廣
三号 刀  原田寿賀造藤原永壽佩刀
      慶応二年春二月
      於平安宮本包則鍛之
四号 脇差 備州長船盛光
五号 短刀 兼常

 

鑑賞刀
刀 紀州住安重(拵え付き) 刃長 三尺一分七厘

入札後は、支部の林講師より、大変詳しくそして楽しい解説がありました。
こんな楽しい解説なら、入札時間をもう30分早く切り上げて頂いて、お話をもっと聞きたいです。