諸々

古備前の在銘の全身押形採拓。
越中物短刀全身押形下書き。普段は下書き無しでいきなり墨入れが多いのですが、今回は短刀片面の下書きで二日かけてしまった。
ご近所さんの大門研師に地砥をお借りして引く。
私は結構色々試すタイプの研師だと思って来ましたが、大門研師に比べると全然ですね。こんな石は初めてです。
地肌が出る原理はよく分かりませんが、硬い石だから地肌が出るとは限らず、それは以前から認識していました。
しかしここまで柔らかい石でこれだけ肌が出る経験は無く。
また砥石探しの旅が始まるのかぁ・・・。これがなかなか辛いのです。
棚か倉庫に同じ性質の石は眠っていないだろうか。。多分ない。



「武士の表道具とその価値展」本能寺大寳殿宝物館出陳刀

本能寺大寳殿宝物館で開催中の「武士の表道具とその価値展」。
主な展示刀10口分につきまして、刀剣と合わせ、見どころ解説付き全身押形パネルを設置しています。

 展示例

・太刀 銘 石州出羽住直綱作(重要美術品) 
       刃長2尺2寸8分7厘
       反り4分5厘
      

元幅31.0mm(32.1)
元重7.3mm(7.4)
先幅21.9mm(22.5)
先重5.1mm(5.5)
茎最厚8.1mm

鎬造、三つ棟。
反り浅め、身幅広く、重ね厚く、茎短く、中鋒詰まる。
棒樋に連れ樋を茎尻まで掻き通す。
ヤスリ目切り。棟僅かに肉、刃方も肉あり。茎棟ヤスリ切り。茎尻、刃上りの栗尻。目釘穴2。
地鉄、板目肌詰み、地沸付き地景入る。鎺下より淡く焼き出し映りが立つ。
刃文、腰付近焼き幅狭く、腰開きの角張る互の目等を焼き、上に向かい焼き幅を広め、角張る互の目を間を詰めて焼く。刃錵が強く、特に焼き頭や谷に錵がこごり、飛び焼き、湯走りかかり、金筋目立つ。
帽子、乱れて先掃きかける。

※刀剣専用の展示施設ではないため照明設備が不十分で、一部展示刀に刃文が見え難いものがあります。



「武士の表道具とその価値展」本能寺大寶殿宝物館

9月6日より、本能寺大寶殿宝物館にて「武士の表道具とその価値展」が開催されます。

展示刀は以下の通りとなっています。

 太刀  銘 石州出羽住直綱作(重要美術品)

小太刀  銘 国行(来)

  刀 無銘 延寿(重要刀剣)

 短刀  銘 正宗(と銘あり)(本阿弥光温折紙付)

 太刀  銘 備州長船兼光(本阿弥光忠折紙付/重要美術品)

 太刀  銘 来国俊(本阿弥光常折紙付/特別重要刀剣)

 短刀 朱銘 則国 本阿(花押)(本阿弥光忠折紙付/重要刀剣)

 短刀  銘 来国光

 脇差  銘 長谷部国重(本阿弥光常折紙付)

  刀  銘 広次作

今回の展示では10口の出陳刀につきまして、鑑賞補助用全身押形パネルを設置しています。
押形パネルで刃文等を確認しながら刀身を鑑賞していただけます。

また、平置き展示ケースには以下の全身押形も展示しています。あわせてご覧いただけましたら幸いです。

 刀 銘 繁慶(永藤一コレクション 京都国立博物館蔵)
(2024年度、京都国立博物館修理事業に際し記録として全身押形採拓)
太刀 銘 正也 令和七年春(山鳥毛写)
太刀 銘 国行(来)(重要美術品)
短刀 銘 国広鎌倉住人
     元亨三年十月二日(新藤五国広)



古い太刀

代を重ねる某工の現存品中最も古い時代の太刀があった。
凄過ぎた。