下地工程概要をご紹介致します

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研ぎ台「研舟」
研磨台。
内曇り以降の作業では荒砥の粉一粒でも重大なヒケ傷を刀身につける恐れがありますので、下地用、内曇用、仕上げ用と台を分けています。

下地研ぎ

一振りの錆刀を研ぎ上げるには沢山の工程を経なければなりません。
どの工程も全て重要で一工程でもおろそかにすると良い仕上がりには成りません。

私の場合、下地研ぎには12本前後の砥石を使用します。
多数の砥石を使いますが、”イコール必要以上に研ぎ減らす”と言う訳ではありません。
様々な粒度の砥石を使い、よりスムースに前の砥目を抜き、研ぎ減りを最小限に抑える研磨を理想と考えます。

下地研ぎ工程

錆が刀身全体に及んでいます。

下地研ぎ工程

元の研磨状態も悪く、鎬地は平面になっておらず、
鎬筋もほとんど無い状態です。

下地研ぎ工程

砥石#400。錆を完全に除去。
鎬地、平地を整えた結果、鎬筋もはっきりと立ち、
締まった姿に成りました。

下地研ぎ工程

400番以降数工程を経て改正に。

下地研ぎ工程

横手も出来、三つ頭、刃三つ角も決まりました。
これで鞘下地が終了です。
この後、ハバキ及び白鞘製作にまわる事に成ります。