『「愛宕山は砥石山」愛宕山砥石を知る人々の証言』

『「愛宕山は砥石山」愛宕山砥石を知る人々の証言』DVDをお送り頂きました。
“日本刀”は、愛宕山周辺を始めとする京都産天然砥石が無ければ完成しません。
現在我々が刀の美しい地肌や刃文を鑑賞できるのは、京都産天然仕上げ砥石があってこそです。
#8000,#10000・・・と粒度の高い人造砥石はいくらでもありますが、単に粒度の問題ではないのです。
天然仕上げ砥石のみが持つ特異な性質が刀に作用し、極めて精緻な研磨技術が発達、そして日本刀独自の鑑賞文化が生まれました。

今、愛宕山周辺の砥石鉱山は極一部を除きほぼ全てが閉山状態。
刀剣鑑賞文化の継続が危惧されるところです。
この映像記録作品には、まだ盛んに採掘が行われていた当時の採掘職人さんや、その仕事を支えていた周辺の方々の貴重なインタビューが収録されています。

ちょっと話が逸れますが・・・。
当時の採掘現場では、作業により傷んだタガネや矢(バール)をその場で鞴(ふいご)と炭を使い修理しながら使用したというお話がありました。刃がこぼれたり潰れたりしたタガネをそのまま研ぐのは大変なので、焼きなましてから研磨、その後再度焼き入れを行うのでしょう。
戦が頻繁だった昔、傷んだ刀は戦場で再刃されたであろうというお話を聞くことがありますが、その通りかもですね。