大太刀

少し前ですが、爺さんに会いに行こうと思い立ち、初めて靖国に行きました。(祖父は昭和20年7月、父が2歳の頃大阪湾にて戦死)
私が30代の頃亡くなった祖母は、祖父の墓参りを毎日欠かす事はありませんでした。私が知る限り毎日です。
近所では毎日墓参りに行く婆さんとして有名だったそうで・・・。
確か祖母も一度だけ靖国にお参りに行けたはず。
私の初めての靖国神社参拝は祖父を感じる事は出来ず、お墓で毎日泣いていた祖母を思い出しました。

特重指定品発表で靖國神社遊就館蔵の大太刀、古三原「正家」が載っていて興味を持っていたのですが、刀美最新号の名刀鑑賞にこの正家が掲載されました。やはり素晴らしい太刀でした。
大太刀を研磨させて頂く事は度々あり現在も3口の大太刀をお預かりしていますが、以前見た古研ぎの大太刀が特に記憶に残っています。
当時確かブログに書いたような・・・と思い、HPの検索欄に「大太刀」と入力してみると2009年にその記事がありました。
古研ぎ薄錆身 | 玉置美術刀剣研磨処|京都・左京区 (kyoto-katana.com)
ブログ文中、「そして磨り上げ刀の場合は切断して廃棄(再利用か)されてしまう部分も、荒れや傷など製作時の失敗も無く完璧なものなのだと分りました」と書いていますが、ちょっと意味がわかり難いですね。
大太刀の腰付近に先天的な不具合があったから磨上げたとか、そういう事じゃないと言いたかった訳です。
今回の靖國神社様の大太刀も、名刀鑑賞解説で「これほどの長寸にもかかわらず元先にかけて緩みなく均一な肌模様となり、鍛錬技量の高さが窺え」と書かれている通り、大太刀だからといって雑な造りではないという事です。
因みに、現在二尺台で大磨上げの茎になっている刀の全てが大太刀だったという訳ではなく、その何割か程度と考えるべきかと思います。