刀、銘 備州長船住横山祐包(石切劔箭神社蔵)
明治三年八月日
33回目は新々刀備前、横山祐包。
祐包は祐永と並び、新々刀期の備前を代表する刀工です。
一時は衰退した備前鍛冶も幕末期には再び隆盛し、一派独特の丁子を焼く祐包の作品も数多く造られました。
本刀は「いしきりさん」として親しまれ厚い信仰を集める石切劔箭神社の蔵刀で、同社には多くの奉納刀が残されています。
新々刀らしく精緻な地鉄に完璧で破綻の無い刃を焼き、祐包の技量の高さが伺える作品です。
祐包には銘に「友成五十八代孫」と切り添える物をみますがその一行から、平安期古備前刀工群より続く備前刀工の誇りと気炎を感じます。
石切劔箭神社HP