いいことしか書いて居ないとこうなりました

最近、いつもHPを見て頂いている方にお会いしました。
「入札鑑定の講師もされているのですね!」と言って頂きました。
「講師などとは程遠いもので・・・」とご説明申し上げました。
私のブログなどは結局いい事しか書いておりませんので、ちょっと過大に評価して下さっている方も居られるようで・・。 
申し訳ありません。
例えば、私はちと病的なほどの”あがり症”でして、少人数だと全く大丈夫ですがちょっと人数が増えるともう声が震えたりする始末です。
入札鑑定の講師など務まるはずも無く、それまでも人前に出る機会からひたすら逃げて来たのですが、なぜだか「出来るかも知れない」と思ってしまい引き受けました。
結果、本当におぞましいほどの失敗ですよ・・・。
自分も大変でしたが、その様な場違い講師の解説を聞かされた皆様の苦痛たるや・・・本当に目をそむけたくなる光景であったはずです。
人前でそれ程あがらない方には想像も付かない様な見苦しい事が起こるのです(泣)
で、これでは誠に申し訳ないと思いまして、月一回のあがり症克服の為の教室に入りまして、その後一年ほど通っております。(妙な自己啓発セミナー的な物ではありませんのでご安心を)
毎回30名ほどの参加人数でしょうか。
通い始めて数ヶ月は鑑定会失敗のダメージから抜け出せず、壇上でまともに声を発する事が出来なくなっておりましたので、「おはようございます」の「お」が出せずに10秒、15秒と立ち尽くし、視線に耐え切れなくなり後ろを向いてしまう・・・と言う様な状態です。
「あがり症克服のための教室ですので本当に酷いあがり症の人間の集まりで、私などは他の人に比べればまだまだ序の口・・・」との淡い期待も持っていたのですが、私がダントツにあがり症で有る事を知りまたまた落ち込む訳です・・。
平時にお会いした事の有る方に、こう言う感じだと話ても全くそうは見えないと言って頂くのですが、実はそうなんですねぇ。。
しかしえらいもので1年少々通っておりますと、一応私にも人よりかなり劣ってはおりますが慣れと言う物がやってきまして、徐々にではありますが以前ほどのあがり症状は出なくなって来ました。
過去の人生様々な場面を振り返りますと、「今ならあれは出来る」と言う事も結構出て来る次第。
一生無理だと思っていた事を克服する事も可能なのかも知れません。
もしかしたら。。
もし出来るとしてもまだ何年もかかりますな(泣)。
ずっと逃げて来たつけ、ただそれだけの話ですけども。
面白がって人前でしゃべらすのはやめて下さい・・。 
まだまだ重度のあがり症ですので。 おぞましい事が起こりますので。



なにかと

毎日なにかと忙しくさせて頂いております。
本日は昭和刀短刀を地引、地艶~拭い。
戦中の作。 相州伝(この人の作刀については伝法を言ってはいけないのか・・?! 少々私の知識不足。しかしこの作刀は左文字を意識して居ると思うのだが・・。 同じ作で明らかに則重に私淑した短刀も控える)。
数ヶ月前研磨させて頂いた新作相伝短刀に酷似する地鉄。
新作相伝短刀では全ての手法を試す事が出来なかったがこの昭和刀の研磨により、新作相伝短刀の研磨手法の選択が正しかった事が確認出来た。
明日内曇に戻り仕上げなおし。
刀身は極々極々極々少量ですが余計に減ってしまう事に成ります。
しかしなおざりな研磨で終えるより、このリスクを背負う方が必ず大切にして頂けるでしょう。
んん・・やはり打粉は悪ですな・・・。 



押形を

夏休みの自由研究に押形を。
調べる内容を広く深くして行けばこの手は六年間使えるなぁ…

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今日も試す

先日の内曇、また別の石を今日も試す。
昨日ダメだった石と同じ手と思われる物が幾つか有った。 
当然研磨力ゼロ。
しかし砥石は形や厚さ、筋、傷の有無により値段が決まる傾向にありますので成形して販売されると普通に5万、10万、20万と言う様な値段が付きます。
そして、この様な石しか使った事が無い人も多いため、「こういうもんだ」と思って、良い石を知らないまま使い続けてしまいます。 
良石に行き着くには執念が要る。
10年ほど前に刃艶にした事が有る手の石に当った。
刃艶としては全くダメでしたが刃引きには使えなくもないようだ。
巣板(刀研師が言うところの)が入っていた。
まずまず使えそう。 曇りよりよほどましなのが悲しい。
絶対良いと思っていたが荒くてアウトだった石。
この荒さは刃艶には良いはずだと思っていましたが、やはり使える。
頗る速い。 



お盆です

少し帰省してました。
実家にて花火など。

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今日は仕事。
内曇などを。
先日切った砥石のうち7本を試す。
絶対良いと思っていた石が荒く、アウト。 これは信じたくないのでまた別の刀で試そう。
二本は薄いし形は悪いが多少の研磨力は持っている。
一本は主力として使えそう。これは誠にありがたい。
残りは笑ってしまうくらい研磨力ゼロ。 いずれもカラスなのでこれは予想していたがそれにしても酷い砥石。
先日の作業では内曇で刃艶も作ったのですが、刃艶としてまともな物はほぼゼロでしょう。
どれも柔らかくてダメ。 
最近ちゃんと硬い刃艶用内曇に出会う事が激減した。
8月16日、京都は五山の送り火。
徒歩で子供達を連れて行く気力は無かったので車で少しだけ出かける・・・。(ご先祖さまを送る気持ちが緩くてすみません)

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妙、法、大、左大文字が見えました。
それにしても、どの文字も年々見る事が難くなって行く・・・。
京都にマンションはいらんね。
しかし京都のマンションは「送り火が何個見える」と言うのを売りにすると断然売れるのです・・・。
全部見えるマンションが欲しい・・。
そりゃまぁそうなります。 
私も欲しい。



おそいですが

オリンピック終わりましたね。 
今更その話題ですか・・と言うくらい遅いですけど。
オリンピックは眩しい。
眩しいと感じる人が幸せなのか、グラサンでも掛けて眩しくも何とも無い人が幸せなのか、よく分かりませんが。
ぁ、うそです。 本当は分かってます。



拵え付きの刀を

ここのところ刀を多数見過ぎて頭の中で整理出来ていないが・・。
本日は研ぎ場にて錆身拵え付き大刀を5振り拝見。
所謂ウブ品と言う物ですが、どれも気持ちの良い時代拵え(慶長以前と言う意味ではなく)に入っております。
普通は10振り、20振りと出て来る中でやっと一振り長い物が有ると言う感じですが、こんなに揃うと気持ちが良い。



山銅(やまがね)の

鐔を買いました。 山銅の。

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傷だらけだし曲がってるしと、汚ったない鐔ですが、大変大変気に入りました。
ネットで買いましたのでご覧になった方もおられるかも・・。
「あぁ安い鐔買って喜んでるわ」と笑われてしまいそうですけど(笑)
6.75×6.21と、脇指鐔です。
しかし、大刀の天正風拵え用と考えての購入ですが、車透かしでこの小ささだとおかしいのかなぁ・・。
「好みなので」と通せばよいのかも知れませんが色々考えてしまいます。
以前も書いたと思いますが小さい鐔の掛かった拵えが好みです。
射楯兵主の定利の拵えの鐔で6.4×6.1。 厳島神社の談議所西蓮の鐔で6.8×6.7。同じく厳島神社雲次に至っては5.85×5.9。
この山銅の鐔は一番好きな談議所西蓮の拵えに近い大きさなのですが。 
片櫃なのが惜しいですけど。 その方がゆくゆくは安く上がって良いですが。
しかし小柄だと裏になって寂しいので鐔を反対向きに掛けて無理やり笄を差したらまた笑われてしまいますか?!
そう言うのも好みなのですが。
先日のせた縁金具は時代が若いのですが、配色は好きです。
例えばこれまた最近入手した安くて汚い目貫と、鐔、縁を合わせるとこんな雰囲気に。

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本歌と比べると怒られてしまいますので、分相応拵えと言う感じで。
中身も分相応となる事でしょうがそれはまた将来と言う事で。



刃引きを作る

昨日と今日は倉庫から刃砥探し。

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しばらく刃引きに使える石探しを怠っていたので良い石が減って来ました。
使えそうな石を色々引っ張り出して来て・・・。

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良い石が有りますように・・・。



ちょっと誤解を与える・・

昨日の縁をアルコールで掃除しました。

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昨日の記事を読み返してみましたら、少し言葉足らずでしたので補足致します。
この度の縁の上面に付着して居た緑青は油と緑青が混ざり合い固着した状態です。
ですので、無水エタノールや苛性ソーダ(洗ソーダも可か)等の油を除去出来るもので簡単に落とせます。
緑青の発生するメカニズムを詳しく知りませんのであまり正確な事は言えませんが、赤銅部分から直接発生して居る緑青などはアルコール等では除去出来ない場合が多いと思います。
下手に触ると赤銅の黒く色揚げされた部分を傷める可能性が有りますので注意が必要です。
錆び身や古研ぎで研磨をお預かりした品のハバキの内側は油と緑青が粘土状に固まってギトギトに成っている物が殆どです。
そう言うハバキはいつも無水エタノールを使用し掃除をしてから刀身にはめる様にしています。