HP50000アクセス御礼と入札鑑定と

HPを開くとカウンターが050032をカウントしました。
いつも当ホームページをご覧頂きまして本当にありがとうございます。
おかげさまで5万アクセスを越える事が出来ました!
いつも所謂”マイペース”と言う感じで更新しておりますがやはり見てくれる方が居ると言う事は励みになります。
今後ともよろしくお願い致します。
さて本日は支部例会、入札鑑定に参加させていただきました。
 一号 太刀
表裏ともかなり疲れが出て、肌荒れや刃染みが多数。 全体に疲れ映りが強く出る。
疲れる前の刃は少し古調な備前の刃に似ている(ちょっと違う部分も有り)。
以前これににた疲れ方をした太刀を見た事があり、長船利光(至徳)と入札。
 二号 刀
二尺四寸ほどに見えます。
大切っ先。 切っ先長は二寸を越え、元幅は一寸一分を越える。
出入りの大きな美濃風の刃。 匂い口絞まり沈む。
こんな刃文が有るのか分かりませんが、造り込みから運寿是一と入札。
 
 三号 脇差
兼房乱れ。
兼房と入札。
 四号 短刀
重ね厚め。 フクラ枯れ鋭い。 
表裏梵字。 焼頭が潤む互の目。返り深い。
末備前の典型作ですが確か何度か見た事が有る短刀です。 誰だったでしょうか・・・。 長船幸光に入札。
 五号 脇差
尺七、八寸。 重ね厚く身幅狭い。極少しですが鎬が張る。 切っ先小さくフクラ張りぎみ。
少し流れぎみの肌。映るも整わず。
焼低い互の目と湾れ。
応永の小反りと思います。長船師光に入札。
 イヤ
 イヤ
 当
 同然
 國入
 一号 素直に西に行くべき刀みたいですがいまいち普段見る平高田などとは違う雰囲気を感じます・・。
     この工の作(無銘極め物)は身幅広く大切っ先と言う南北朝然とした造り込みしか見た事有りませんが、こ     んな太刀も有ってもいいかも知れませんので、豊後友行と入札。
 二号 新々刀かと思い込んでいたのですが、「慶長らしいよ」と言う事を聞きました。 
     いつも康継で失敗するパターンに近いです。健全であまり古風でない慶長新刀をずっと若く見てしまいま      す。
     初代金道の初期作か越前関かを迷う。 金道はもう少し寸が詰まるイメージが有り、越前関はこんな造り込     みは思い当たらず・・・。しかし他にも思い浮かびません。    越前兼則と入札。
 五号 この刃文ならこれも有りかと、吉井吉則と入札。
 当
 イヤ
 当
 同然
 國入
 二号 判者さんが「地元」と言ってくれました。  初代金道に入札。
 五号 苦しいですがもっと下げましょう。 長船法光に入札。
 当
 当
 当
 同然
 國入
一号 太刀  平鎮延作 (表裏と棟に切り付け銘有り)
二号 刀   伊賀守藤原金道(重刀)
三号 平脇  兼房作
四号 短刀  備前國住長船祐定作  大永元年八月吉日
五号 脇差  備州長船重永  応永十年八月日
金道の美濃伝は初期作だと思い込んでいたのですが、帰宅後見てみましたら初期ではなくても美濃伝をやっているようでした。   
今日の金道も初期作では無いようです。 二尺四寸ほどに見えていたのですが二尺三寸一分五厘しか有りませんでした。しかし長く大きく見える刀でした。 身幅が広いと長さは詰まって見えると思い勝ちですが長く見える事も有るんですねぇ。
五号は応永の小反りでしたので、師光で同然で良いと思います。 入札が集中した時に出してしまいましたのでまぎれちゃったみたいです。

画像


古鞘

奈良県の某古寺より流出した腰刀の古鞘を使い拵えを再生したものです。

画像
画像

鮫は漆をかけ黒くしてあります。 目貫は表のみで、裏は目釘を皮で摘む様式。
縁、頭共に角製。 頭は大きく極端に張っています。

画像

室町時代の鞘ではないかと言う事でした。

画像

傷んでいますが大変魅力の有る拵えに再生されています。
刀に興味の無い人に発見されていたらただのゴミになっていた事でしょう。

画像


素敵な贈り物をいただきました

昨日、いつも大変お世話になっている方から、素敵なお言葉とともに私の家族宛に贈り物を頂きました。

画像

生活感あふれる我が家には豪華過ぎてもったいない御品です。
花には空間を全く別の物にしてしまう力がありますね。
子供たちも大はしゃぎで大変喜んでおります。 子供はそう言う空気感の違いに本当に敏感ですね。
ありがとうございました。
龍馬伝で武市をとおして描かれて居りましたが、「一輪の花を愛でる」心は大切ですね。
私も研ぎ場に古伊万里の瓶子や備前の角徳利を一輪挿しにする様なゆとりが欲しいのですが今のところスペース的にちょっと厳しいですか・・。 



待っててくれました

本日は日本刀文化振興協会の「第1回 新作日本刀・刀職技術展覧会」の表彰式と祝賀会のため、ホテルオークラ東京と大倉集古館へ。
誠に盛大な式典、華やかな祝賀会でした。  素直に大きな動きを感じました。
出品結果は残念なものでしたが全力を尽くしましたし(本当に尽くし切りました)、今の自分が出来る最高の状態に近い仕上がりに成っていると確信して帰って参りましたので、自信をもってご依頼主様にお納めさせて頂きます。
今日は多くの方々と知り合う事が出来たのが一番の喜びと成果です。
出品者を代表するスピーチはその所作から三島由紀夫を連想(私が勝手に思っております。すみません)させる素晴らしいものでした。
体力に自信のない私には結構キツイ一日でくたくたで京都へ帰りました。
いつもはもう寝ている時間ですが、娘がまだ起きて待っていてくれました。
疲れも飛んじゃいます。

画像


トロ

いつもお世話になっている方からお刺身を頂きました。

画像

(画像はその一部です)
いいお肉みたいです。 わさびをマヨネーズみたいに付けても効きません!(旨い脂のおかげで)
嫁さんにばれないように、さりげなくお皿の赤身が乗っている方を子供側に。
「ご飯も野菜もちゃんと食べや!」と何度も言い、お刺身以外の物を勧める。
器の小さい男や・・と言われました。
以前ブログに書きましたが、ネットで買って失敗だった刺身包丁を研ぐ。
何も切らずとも、普通に研ぐだけで切っ先に大きい刃こぼれがボリボリ起こります。 道具として失格ですね。
今回はバーナーでちょっと赤くなるまで焼いてみました。(刀だと刃文が完全に無くなります)
刃こぼれはかなり改善され、切れ味は上々。
粘りの有る鉄で長い柳刃包丁が欲しい。
先日から描きかけている全身押形の続きを描く。

画像

   



TOPページのバック

ホームページTOP、バックの壁紙画像、良さそうな短刀ばかりですが何の書籍の押形ですか?とお問い合わせを頂きました。
これは私がとらせて頂いていた押形なんです。
研磨記録に紹介させて頂いている短刀も入っているんですよ!

画像
画像
画像

これらの押形元画像を張り合わせます↓

画像

そしてパソコンで文字入れ↓(研磨記録にも鞘書などをPCで文字入れした押形が幾つか有ります。押形の雰囲気をアップするために文字入れして居ましたが、私が達筆だと誤解される事もあるやもしれず・・・と思い、最近止めています(笑)

画像

色を薄くして完成!

画像

結構手間が掛かっているでしょ。



保昌

研磨記録 「古刀 大和国」に保昌短刀を追加致しました。
整う柾目の美しい短刀です。
昨日は私、37歳の誕生日でした。
一昨日の夜から”おめでとう”の言葉をずっと待って居たのですが結局嫁も息子も誰も気付いてくれず・・・。
PCのメールを見ると何処から漏れるのか分かりませんが、妙なサイトからHappy birthday !とメール。
そんなもんは危なくて開けんわ。
仕方なく今日誕生日なんだけどと自己申告。
もう40やん!と言われて終わりです。
18で研ぎの世界に入ったのですが、もうこんな歳になってしまったと言う感じです。
弟子時代は、現在の数倍の数をこなす、今思えば異様で過酷な仕事場におりましたので今まで研磨に携わった刀は1000振りに近くなるでしょうか。
もうじきに20年になりますが、今よりも更に研磨の本数を減らす様な仕事をして行ければと思っております。



一文字

研ぎ場にて大磨上無銘 一文字 を拝見。
定寸弱ほどか(長さをお聞きするのを忘れてました)。  総体に程よく反り、先にも力が残る。 
今は中切っ先。
詰みぎみな肌で板目。  全体に映り気が有り、指し表の腰には極めて鮮明な乱れ映り。
腰の方は焼き低めで穏やかに、所々焼頭に淡く飛び焼。
切っ先に向かい、鎬に迫る勢いで重花、蛙子を焼き華やか。少し砂流しを交える。
直ぐに丸い帽子。 所々棟を焼く。
刃中がとても明るく、そして賑やかに働いています。 大変良い一文字だと思いました。
 極めは「一文字」ですが、無銘一文字にも古一文字と言われるもの、そして福岡一文字、吉岡一文字、片山一文字、岩戸一文字などがあります。
古一文字とは、鎌倉時代前期に活躍した福岡一文字の刀工達を指します。
吉岡や片山、岩戸などの無銘の場合は「吉岡一文字」「片山一文字」などと明記するようです。
吉岡、片山などは鎌倉時代後期に活躍した一派ですので、鎌倉中期の一文字と見える場合は「福岡一文字」との極めがなされます。
「一文字」とのみの極めの場合ですが少しややこしく、福岡一文字と見て良しの場合と、鎌倉後期の一文字派の作品では有るが、吉岡、片山などの可能性も含むとする物があるようです。
互の目が目立つか、逆掛かるかなどで極めが分かれて行くのですが、微妙な物も多いでしょうしなかなか断定は難しいところなのだと思います。
   書き始めてややこしくて”しまった”と思いました・・・。 詳細(正確なところ)は各鑑定機関などにお問い合わせ下さい。
本日はじっくりと長い時間鑑賞させて頂く事が出来、大変多くの事を学ぶことが出来ました。
ありがとうございました。



桔梗隼光鍛刀場

以前京都で作刀活動をされていた刀匠、桔梗隼光さんが兵庫県相生市に鍛刀場を開かれます。
桔梗刀匠のブログ及びHPをリンクさせて頂きました。
桔梗隼光鍛刀場
刀匠隼光 羅漢の里日記
刀匠隼光 羅漢の里日記では、今まさに鍛刀場開設準備真っ只中の奮闘記が綴られています。
(「奮闘記」と書かせて頂きましたが、奮闘ぶりは写真情報から想像出来るだけす。 もしも私があんな作業を自分でこなしたならば一生の語りぐさにするところでしょうが桔梗刀匠のお人柄からか、まるで長閑な農作業をされている様な文面)
ブログ内写真使用のお許しは頂いたのですがブログのシステム上出来ないみたいで残念・・。
鍛刀場は茅葺屋根の水車小屋でほんとに素敵な所です!!
羨ましい。。
私も京町屋で仕事をするのが夢なんです。
私は1973生まれですがブログリンクをさせて頂いている田中刀匠、高見刀匠、桔梗刀匠、皆さん同じ年生まれじゃないですか?・・。 
刀職で1973て多いかも知れませんね!