刀に拵を

以前から欲しかった本がやっと届きました。

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最初、楽天ブックスで注文したのですが在庫表示を見忘れてしまったため大失敗でした。
キャンセルは不可で、入荷時期の問い合わせも否。 入荷するかどうかすら不明なんだとか。
そして結果は約20日後にしか出ないと。 あぁ失敗。
約20日間待ちに待ち、「入荷しませんでしたのでキャンセルと成ります」と自動メールが。
購入前に詳細をちゃんと読めば書いてる事なんですが、なかなか辛いシステムでした。
で刀屋さんのHPで販売しておりました。 メール後即着。 ネットはこれでしょうよ。
愚痴ってしまいましたが、待った甲斐がありました。
初心者からでも楽しめるシンプルな内容に作られていると思うのですが要点を沢山学べると思います。
まだ少ししか目を通しておりませんが、拵えを注文する上で絶対知っておいた方が良い事を幾つか知る事が出来ました。
勉強します。
戦前の某大愛刀家は刀を入札鑑定に貸し出す時、「自分のうちの可愛い娘をひとさまの前に出すのに着物を着せないで裸で出す事があるか」と、全ての刀に拵えをつくっていたそうです。 
本当によい拵えをつくると、刀装具にもよりますが上作~上々作クラスの大刀一振り分位のお値段になってしまうでしょうし、なかなか簡単に出来る事ではありませんね。
しかし私もいつか自分の好みの拵えをつくりたいと思っています。
派手な物は苦手ですのでシンプルな桃山時代の金具で。 そして少しだけアクセントを効かせて。
しかしシンプルな物ほど全体の微妙なバランスが重要でしょうから知識と経験が豊富で上手な職人さんにお願いしたいです。
・・・などと、中身となる刀身が無いのに楽しく色々と想像しております。



大和物

本日は研ぎ場にて当麻を拝見。
事前に内容をお聞きしておりましたので、図譜で確認してからの鑑賞となりました。
樋は有りますが鎬が高く、大和然とした造り込み。
細かに詰む肌で、地沸えが豊富ではっきりとした地景もよく入っています。
ほとんど柾は無く、物打付近の刃寄りに少し。
刃中ですが、押形ではそれほど働きが有る様には描かれておりませんでしたが、現物はもの凄い働きです。
匂い口から刃先までとにかく良く沸え光の強い刃で、足、葉、金筋が豊富。
押形にしっかりと描き込むと真っ黒になってしまいます。
最近大和物の人気が今一つだと言う話を聞く事が有りますが、なぜでしょうか・・・。
不思議です??
凄い刀が沢山ありますよ!



備前物二振り

本日は研ぎ場にて以前拝見した事が有る一文字と、こちらも再会となる長船利光(金象嵌利光)を鑑賞させて頂きました。
この利光を見せて頂くのは何度目でしょうか・・拝見する度に名刀感が増します。
おそらくこの括りの作中最高レベルなのではないかと思っています。
最初の頃は”一文字じゃないの?”とばかり思っていたのですが何度か拝見するうちに、誰かは分かりませんがこの金象嵌を入れた方のセンスに感服するばかりです。
こんな刀に大好きな小鐔の天正拵えを掛けていつも傍らにおいて置きたいです。



軸装と古刀を

先日描かせて頂いた全身押形を軸に仕立てました。
自分で軸装に出したのは初めてですので詳しい事がよくわからず、水墨の絵師さんにお聞きした様にとあとはお店のお任せでお願いしました。
 

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綺麗に仕立てて頂きました。
私の下手筆でも軸装をするとかっこよくなりますね。
何よりお喜び頂けた事が一番です!
本日は研ぎ場にて源兵衛と之定を拝見。
どちらも典型作。 
茎もよく銘も鮮明でよい御品でした。



御刀拝見

本日は研ぎ場にて薩摩新刀の珍しい御品や畠田守家などを拝見致しました。
室町時代の刀と言う事で拝見したのですが、鞘を掃い現れた地鉄は確実に南北朝期より古い備前の鉄。
大変細かに整い柔らかで潤う。
乱れ映りも全面に現れています。
やはり勘違いをされていて鎌倉時代の御刀でした。
刃文は守家独特の賑やかな物ですが、とにかくふんわりと柔らかい匂い口です。(後で図譜を見ると解説でもその事に触れておりました)
身幅広く、しっかりと平肉が残り、猪首風の切っ先。
見事な出来でした。



今日は休日に

午前中お客様がお見えになりましたが午後はOFF。
びっくりドンキー、西松屋、ユニクロ、リカマン、ドラッグユタカと子持ち家族の典型コースを巡りヘトヘトで帰宅。
自転車乗りに行きたい!と言う息子に「お父さんは疲れてんねん!」と語気を強めてしまい後悔。
でも割り箸で輪ゴム鉄砲を作ってあげるとはしゃいで居ました。

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お父さんはこういうの大好きですのでこれではちょっと物足りなく・・。
子供が寝てからもう少しだけちゃんとしたのを作りました。

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二つ綴りの輪ゴムを二発装填出来ます(^^)
力作だと思うのですが多分嫁さんには「危ない!」と怒られ、子供にはすぐ飽きられてしまうでしょう。



古名刀色々と

最近も研場にて色々と古名刀を拝見致しました。
磨上無銘大和千手院太刀。
細身で腰反りの太刀姿。 あまり大和張らない造り込み。
柾目。 全身映る。 他の四派とは明らかに違う 千手院らしい独特な刃文。
とにかく古調な太刀です。
初代信國短刀。 南北朝期独特の腰付近から茎尻への造り込み。小沸え出来で直刃ながら賑やかな刃文。
在銘年紀入り青江太刀。 今研磨中の古青江在銘太刀と比較しながら拝見出来ましたので大変勉強になりました。
綾小路太刀。 いかにも綾小路らしく細かで非常に柔らかい地鉄。 研磨にはかなりの技術がいると思います。
かなり高い焼刃で、やさしい京物と言うイメージではありません。 強く激しく、しかしフワッとしています。



好きな通りへ・下筆春蚕食叶声

今朝は仕事で烏丸御池付近へ。

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用事が早く済みましたので御池通りを東へ、以前から欲しかった小さい硯石を見に寺町の書道具屋さんに。

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京都御苑のすぐ南側の寺町通り辺は古美術店、茶道具店や書道具店などが並びます。
京都の骨董街と言えば知恩院の西、古門前通と新門前通が有名ですが、寺町通りの北方面にも古美術店などが多く集まっています。
ほんの短い区間ですがなんだかこの通りが好きで、南北の移動時は用も無いのにわざわざここを通る事が多いです。
小さい硯石ですが、結構なお値段が・・手が出ませんでした。
ついでに筆を購入。
上海工芸の下筆春蚕食叶声

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押形の諸先輩方にお教え頂いた筆です。
筆先はこんな感じ

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かなり色々と試された結果、上海工芸のこの筆が一番良いと言う事だそうです。
しかし押形の技術が未熟な私はその良さを体得出来ておりません・・。
ですのでちょっと浮気をして

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筆先

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ちょっと色々買ってみました。
下手なやつほど道具のせいにするんですねぇ。。
しかし中国製は安くて気楽に試せます。
同じ様な筆でも日本製だと10倍くらいの値段だったり・・。
帰宅途中、北大路通りのいつも行く画材屋さんで硯石を探す。
便利で小さいのが有りました。
7cm四方。

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仕事の粗さに泣けますが500円じゃしょうがない。

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磨き棒粗し仕上げ完成

昨日の磨き棒を磨き直します。
基本の形を整え直し、ダイヤラッパーの#1200まで来ました。

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後はルーペで状態を確認しながらダイヤモンドペーストで仕上げます。

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今回の最終仕上がり状態は粗しでOKですので適度なところで終了。

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ルーペからの画像です。
ここまで細くすると物に当てたり落としたりすると折れてしまいますし、使用時に力を入れ過ぎても先が折れます。



磨き棒加工

今回研磨させて頂く仕事には鋭角な磨き棒が必要ですので磨き棒を削ります。
無理だと分かっていながらも、もしもこれで削れたら短時間で出来ますので一応グラインダで磨き棒を削ってみる。

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やはりタンガロイ硬し。 グラインダでは全く歯が立たない。
ダイヤモンド砥石登場。

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ダイヤ万歳。

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なんとかここまで細くなりました。

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ダイヤモンド砥石の番手を上げて研ぎ進める。

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大分進みましたのでダイヤモンド鑢に切り換え、ハンドラッパーで仮仕上げへ。

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先の方の面しか使いませんので先を重点的に綺麗にして行きますが、先端が整わず。
もともと少し楕円がかったタンガロイでしたのでそれが原因です・・。
明日ダイヤ砥石からやり直し。