日刀保京都府支部入札鑑定会

今回は当番でしたので以下の鑑定刀にて入札鑑定を行いました。

1号 太刀 無銘 綾小路     (重要刀剣)
2号 脇差  銘 越中守正俊   (重要刀剣)
         寛永三年八月吉日
3号  刀  銘 左行秀(花押) (重要刀剣)        
         嘉永六年二月日 足達正達佩之
4号 短刀  銘 清磨      (重要刀剣)
5号 太刀  銘 包清(手搔)  (重要刀剣)

1号 太刀 綾小路

2号 脇差 越中守正俊

3号 刀 左行秀

4号 短刀 清麿

5号 太刀 包清

綾小路は、初期粟田口や五條など古京物への入札が多くありました。
手掻包清は地鉄が大変強く美しく、そして身幅重ねともたっぷりなため、ほぼ全員の方が南紀や忠吉へと入札。
出題者としては心ひそかに喜んだのであります。。



押形の定規を

使っていた定規があまりにみすぼらしかったので新たに作りました。

刀身に定規を触れさせず、刃文の高さを測りながら同じ高さの刃文を描くことが出来ます。
また定規を横に動かしながら位置決めして行くことで、互の目や谷の幅などを正確にコピー出来ます。



押形の定規

最近も時間を作り、押形作業は行っています。
近いところでは、大道、寿命宗吉、古金剛兵衛、国貞系大阪新刀、越中、繁慶、紀州末古刀、肥前吉房、古青江行次、古備前信光、包永、包清、左文字などを。
長年押形を描いていると刃文の調子というものに敏感になるというか、識別能力が上がるというか、見えて来る物は確実にあります。
あくまで私の場合ですが、当初は基本どんな刃文も定規などは使用せず描いていましたが、美濃物や末備前等は慣れるほどにそれが無理になり、今は定規を使用して描いています。
とはいえ流石にノギスを使うまでは行きませんで、この様な簡単な物で。

思い付きで雑に作った定規ですが、便利でそのまま長年使っています。



繁慶研磨

某コレクションの繁慶を研磨。
近年たまたま繁慶を見る機会が多く、7,8口拝見したでしょうか。
繁慶というと則重の松皮肌の様な大板目肌立つイメージを持つものですが、実際はそればかりでは無い様で、近年拝見した繁慶の多くはよく詰んだ細かい地肌でした。
今回研磨の繁慶はイメージ通りのもので、則重や正宗を彷彿させる出来。
何より砥当たりが柔らかく、鎌倉時代の刀の内曇りを引いている感覚です。
また繁慶は匂い口が沈むとされますが、刃も明るくとにかく良い刀。