天然砥石比較  107

表面
裏面
側面

砥石硬度  3/10
研磨力 6/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

数十年前に産出された菖蒲。大型の砥石で厚みも購入時は53mmあり、堂々の佇まい。
おそらく5、6年前に購入し、しっかりした焼きの刀に対するメインの砥石として、末古刀~新作刀までをガッツリ研磨してきました。
先ほど厚みを測ると一番薄い箇所で44.7mm。一年で1.4〜1.7mmペースの消費です。
本当にガッツリ使いまくって来ましたが私は多分砥石があまり減らないタイプの研師なのと何より大切に使って来ましたので減りは最小限ではないかと思います。
同時に購入した兄弟石を新品状態でマーティン君に渡し。スロバキアから帰って来ると半年で3cmを切る程度にまで減っていました。。
購入した所には、さらに兄弟砥石があり久々にお値段を確認すると、一本50万円也。やはり砥石を減らす事なく効かせるテクニックは必須。



天然砥石比較 105~106

No.105
No.106

No.105
この手のカラスの砥石は、あると妙に嬉しくなる石です。少し狭い幅ですが研ぎやすく、普段使いの小刀を研ぐのに使用しています。
どの山産でしょう…。おそらく梅ケ畑周辺の山でしょうか。
こういう砥石に刀を当てた研汁を見る機会、実はあまりないと思います。

梅ケ畑周辺地図。この範囲に、鳴滝、中山、大突、奥殿、菖蒲等々多くの砥石山が集中しています。


No.106
奥殿でしょうか。新田か。私にはちょっと分かりません。。
厚さは5.2cmあり、立派な砥石。
大平や水木原などの経験から見れば硬くはない石に見えますが、実際はかなり硬く、巣板なのでしょうが戸前の様な当たり具合。
慣れない山の石を使おうとする場合、ゼロから構築する事になる。

新田の場合この辺りです。大平や水木原も近い。

天然砥石比較 103〜104

No.103
No.104

No.103
砥石硬度  4/10
研磨力 5/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.104
砥石硬度  4/10
研磨力 4/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.103は非常に良い刃引きです。
No.104は刃引きとして使用可能だが、登場する機会は少ないはず。
今まで「砥石は見た目は関係ない」的な事を書いて来ましたし、実際そうなのですが、砥石としての佇まいもやはり大切だと思っていて、購入する際の判断基準にはなります。



天然砥石比較 101~102

No.101
No.102

No.101
砥石硬度  6/10
研磨力 4/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

No.102
砥石硬度  6/10
研磨力 3/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

どちらも見た目は硬そうに見え、特にNo.101は硬く見える。しかし引き感はさほどでもなく。
やはり少しでもヤケていると使い難い(好みの問題です)。
鉋を天然砥で研がれる方との交流が無くて分からないのですが、鉋の場合の天然砥の使用出来る範囲はどの程度なのでしょう。
研磨に要す時間が変わるだけで、ある程度の範囲を使用出来るのでしょうか。