手切りの鑢を
昨夜貞豊刀匠から手切りのヤスリを頂いた。
京都に手切りヤスリの職人さんが居るそうだ。
私が鉄のヤスリを使うのは埋鉄関連の仕事が一番多いだろうか・・。
一般工業製品のヤスリは使い捨てのイメージかと思うが、「手切り」という事が考えに入って来ると、切れ止めば切り直すと言う事になる。
もちろん私などはそこまでやりません。しかし実際貞豊刀匠から、切れなくなったら焼き鈍してサンダーで落として切り直すお話をうかがった。
新しい物を買う方が早いが昔は皆なんでも直して使ったものなのだろう。
小さい頃はズボンも靴下も靴もみな継ぎはぎだらけ。
ランドセルも回りまわって来たぺったんこの誰かのお下がりで両サイド布貼りだった。小3の時背負って歩いていたら両サイド一気に破れて全部ぶちまけて、それ以降肩掛け鞄だった。
今思えばよくいじめられなかったものだなと・・。
桃川長吉
研磨記録の研磨外の部に重美「桃川住長吉」を追加致しました。
この長吉は日本刀大鑑、刀影摘録、新刀古刀大鑑、重美全集等々各書に所収の有名作ですが、何より土屋温直の押形集「刀剣銘字大鑑(土屋押形)」に載っている事が嬉しいのです。
http://blogs.yahoo.co.jp/j1573jj/64625884.html
昔これに書いたとおり、土屋温直さんは非常に苦労してこの押形集を作られています。
土屋押形所収の品は度々拝見したり過去に研磨させて頂いた事も何度かありますが、その度に「温直さんもこの刀の押形を採ったのか・・・」と感慨にひたります。
支部入札鑑定会
今回は私が当番と言う事で、一番好きな大和物を中心に鑑定刀・鑑賞刀を用意させて頂きました。
鑑定刀
一号 太刀 朱銘 千手院
二号 短刀 無銘 保昌
三号 刀 無銘 包永(手掻)
四号 脇指 無銘 尻懸
五号 刀 朱銘 当麻
鑑賞刀
六号 刀 無銘 金房
七号 刀 無銘 大和志津
八号 刀 無銘 志津
九号 脇指 無銘 古宇多
十号 薙刀 銘 千手院(美濃千手院)
鑑定刀は大和五派。
鑑賞刀は、大和金房、大和志津、大和志津が美濃に移住し志津三郎兼氏となったという志津(兼氏)、大和から越中に移住した古宇多、大和千手院が美濃に移住した美濃千手院。
以上大和本国物と大和関連の品10振りをならべさせて頂きました。
大切な御刀をご提供くださった皆様に心より御礼申し上げます。
この度は誠にありがとうございました。