色々拝見

本日は研ぎ場にて古い品をまとめて拝見した。

平安末期乃至鎌倉初期太刀
鎌倉前期太刀
鎌倉前期乃至中期短刀
鎌倉中期刀
鎌倉中期太刀
鎌倉中後期小太刀
鎌倉中後期小太刀
鎌倉末期短刀
鎌倉末期刀

比較しながら繰り返し拝見する。
古い物なので完璧な状態では無い品もあるが、何度も拝見するうち良さの発見の方に夢中になり小傷やその他の細かい事はどうでもよくなり目に入らなくなっている事に気付いた。
仕事柄普段は欠点を突かないといけない訳だがやはりそれだけでは侘しい。



最近多いですよね

ヤフーニュースなどに刀関連の話題が上がる事が多いですね。
うちのHPもブログや研磨記録のページに今話題の刀工名がありますのでアクセス数は非常に多いです。
例えばヤフー検索で話題の刀工名を「〇〇〇〇」と検索してHPに来て頂くと言う形になるわけですが、その場合トップページに入るのではなく、その刀工の記事ページに直接飛んでくる訳です。 その時その刀工の記事を見て頂き、その後他の記事へとクリックしてHPを読み進めて頂く率はうちのHPで言えば1000アクセス中で2ほどでしょうか。
ネット検索にとどまらず、実際に刀を見に博物館へと足を運ばれる方というのは貴重な存在ですね。
スタイルは様々でしょうが行動する人は貴重だと思います。



切っ先は欠けやすいのです。

もう18,9年ほど前でしょうか。 拵え入りの古刀脇指を研磨させて頂いた事がありました(白鞘の新調は無しです)。
拵えは預からず刀身のみで、お渡しする際、細長くカットしたネルをナルメ作業時の様に刀身にクルクルと巻き、切っ先も巻いて戻って物打で留めた状態です。
「ネルの上から切っ先部分を持つと先が欠ける恐れがありますのでご注意下さい」とお伝えしたのですが、「刀はそんな事で欠ける物ではない」とお叱りを受けました。
しかしその場にいた鞘師さんと白銀師さんが「いやいや違うがな・・・」という事で説明してくださり、ご納得頂きました。
そうなんです、切っ先は大変欠け易いんです。
下地研磨作業時、右手で握る部分には裂帛(さいで)を巻いて研磨しています。(裂帛はネルや木綿などです。滑り止め或いは握る部分を太くし疲れを軽減するために使用します)
研磨作業も進み、内曇や仕上げの段階になると裂帛を巻く位置も様々となり、裂帛による切っ先欠損の可能性が非常に高まります。
ですので内曇以降の作業では裂帛が切っ先をすっぽり覆う形で握る事は出来るだけ避けて作業をします。
長い物ならば、切っ先を裂帛が覆う状態は容易に避けられます。しかし短刀の場合作業上どうしてもそうしたい事も多いのですが、出来るだけ避けるのです。この事は個体差はありますが、古刀、新刀、新々刀、現代刀、どの刀に対しても同じです。

この事一つでも色々な意味を含んでいますよね。多過ぎて書きませんが。
とりあえず、鑑賞会等で刀身を置く時は切っ先を毛氈に当てないように注意が必要です。



連休終わり

終わりましたね。
京都市内、各神社でお祭りが有った日はちょっと込んでいましたが連休全体で見ればそれほど込んでいた印象はないですね。
桜と紅葉の方が込みます。
子供達には申し訳ないですが、一人家に残り連休はずっと仕事でした。
一日にこんなに長時間研舟に乗るのは20代以来でしょうか。
難儀な内容の場合、ひたすら考える時と考えてはいけない時があるんです。
今回は考えてはいけないパターンが多かった。その方が辛い作業です。
そう言う作業の後は車を運転すると信号を何度も逆に認識してしまうような状態です。
近くのチェーン店のカレー屋さんが大変盛況です。バイトの店員さん達もてんてこ舞い。
やった事ありませんが多分私なんか全く使い物にならないでしょう。 注文も覚えられず、声出しでも噛み噛みです。
みんな頑張っていました。
私も頑張って働こうと思います。