今日は下書き
無題
昨日の白い研ぎの事。
高い技術を以ってあえて拭いを控えめにし、刃取りも意図的に弱めにして白っぽい仕上がりにしている研磨と、技術も研磨時間も足りぬゆえ拭いが入らず、刃取る技術も未熟で研磨力の弱い刃艶しか持たぬ結果白ぼけた状態になった研ぎ。この違いを分からず後者を大絶賛する情報発信を見かけるが、この手の情報は放置でよいのだろうか。
前者の良さが分かる人は、コントラスト強めタイプの研ぎにも”好みの違い”として理解を示す方が多いと認識するが、後者を大絶賛する人はコントラスト強めの研ぎを酷評する傾向に有る気がする。
私はその時々で研ぎのタイプを変えるが、HPにUPする画像からコントラストが強めの研ぎの印象を持たれているようで、批判の対象になるようだ。
よい品を
研ぎ場にて名品四振り拝見。
鎌倉初期太刀、鎌倉初期小太刀、末古刀、慶長新刀。
いずれも大変良い研磨。 小太刀と末古刀は同じ手によるものか。
鎌倉初期の太刀、下地が素晴らしく大変勉強に成る。
慶長新刀、この刀工の研ぎは比較的黒めに仕上げている場合が多いが、かなり白っぽい仕上がり。
しかしこの研ぎは非常に手が掛かっており、どの工程も大変上手く、特に磨きなどは絶妙。
強い拭いの仕上げを見慣れた眼には、この白い研ぎは受けないかもしれないが、このタイプの仕上げを単に”拭いが効いて居ないだけ”などと思ってはいけない。
奥ゆかしく大変真面目な研ぎだ。
全身で短い物一振りを仕上げ、もう一振りの片面が出来た。
この後長い物を四振り続けてとる。
何も考えず、ただ作業を進める。




