もろもろ

多忙につき久々になってしまった。
日々色々。書ける事を少し。

新作刀多数拝見し研磨をさせて頂く機会も増え勉強になる。
南北朝末期から応永の意の金象嵌刀を下地。まず間違いなく若い。
味わい深い笄をお譲り頂く。仕事に疲れた時蓋をあけて眺める。
別だが小柄の緑青が酷く、気になる。
以前facebookで梅酢で丹念に手入れし綺麗になったとの画像を見た記憶があるが、綺麗になるのか・・。試したいが無闇な試しは怪我のもと。非常に危険。注意。
「古刀上作銘鑑」(昭和16年発行)を頂戴した。元和年間に流布せる鑑定の秘伝書との事で全国著名工の押形を掲載。
(押形と言えど現物からの採取ではないか。古山城、古備前含め、所収の品のおおよそ全ての刀工について在銘で太刀、短刀を掲載。短刀については素剣や護摩箸に梵字スタイルが大変多い。そのまま信じるべきでは無い気がする。それとも本来こう言うセットだったのか?)
入鹿荘の入鹿さんとメールでやりとりさせて頂いた。感激!(古刀上作銘鑑にも入鹿實継・實綱をみる)
伊勢に。
伊勢神宮



信濃路

電車だと「〇〇路」みたいな表現はしないんですかね?!
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コンクール撤収お手伝いと引き取りに行きました。
ちゃんと本を読める時間が往復6時間半もあるので、重いですが電車の時はいっぱい持って行きます。
以前貞豊刀匠にたずねたら「気持ちが重くなる」「しんどくなる」と教えてもらったとある現代作家の私小説も準備して行った。
確かに重くなる。悪い所が自分に似ているから余計重くなるわ。



北山へ

支部で御世話になっている白銀師の上野宏樹さんが北山に工房を開かれ、所用で伺う事に。
私は以前上賀茂で研ぎをしていたのでこの辺りは懐かしい・・・。っと言うのはウソか。今居る岩倉とはご近所さんで、今も頻繁に通る所。
ただ今日はちょっと久々に、独身時代毎日の様に通ったお店でお昼を食べた。
京都独特の、間口が非常に狭く全く目立たないお店。
こんな所でやっていけるの?っと思いつつ引き戸を開けると思いの外広い空間があり、馴染みの客で満席だったりする。
今日は先客おっさん二人。後からお爺ちゃんとお婆ちゃんが4人入って来た。
変わらず好きな鳥カラ。多分ここ以上に合う所には出会えない気がする。

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上野さんの工房。ブログUPのお許しを頂いた。
道具一つ一つに興味がわいてしまうが長居はご迷惑をお掛けするので早々においとました。



人格をかける

用事で、いつも大変御世話になっている方の御宅へ伺った。
色々お話をさせて頂く中で、私用の拵えを製作したく小道具を探して居る事を話した。
鐔はお気に入りの品が二つあり、縁金具もきめてある。
無櫃も良いがどうしても寂しく感じるので小柄笄を付けたい。そうなると、鐔との相性もあるし目貫の問題もある。
また最大の問題は金額面で、もちろん古後藤の品が一番の望みではあるが、とても手が出ないので古拙で手ごろな品を探したい事などを話す。

その後、にっこりさらっと仰ったので正確には覚えて居ないのだが、「人格をかけてお気に入りの刀に拵えを作る、これは一番楽しいものですね」とのお言葉。
”刀”がこれほど奥深いものとなったのは、こう言う精神を以って伝えられて来たからだと思う。

敷居が高いと人が減る。しかし低次元だと魅力は無い。
社会の基本構造の変化が急速に進む中で、旧質の物全てをそのままの形で残して行く事は不可能だと思う。
何を残すか、何が残るか。