諸々

久々に全身押形を描く。
茎は紙にカーボンを当ててとる。
いつも墨を摩っていたが、墨汁も良いと教えてもらいドラッグストアで墨汁を買った。 硯で墨を摩るのが好きだったが墨汁の方が細かくて具合が良いようにも思う。

研ぎ場にて鎌倉期の短刀二振りと南北朝期の短刀を拝見。
いずれも在銘稀有の品。多くの大磨上無銘の基準と成る品で誠に貴重。

琳派展のチケットを頂いたので京博へ。
全く詳しくないが観れば好きな絵が何点か出て来る。こういう展覧会はなるべく沢山行くべきだと思う。

重文の太刀を二振り拝見。さすがに出来よく健全で重い。

スロバキアの研師マーチン君に笛をもらった。
伝統の品らしい。
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京都府支部会報「津どい」の97号が発行された。
あと少しで100。



京都支部例会 刀剣入札鑑定会

例会

一号 刀

 肥前です。正広か行広。この二人の違いは分からない。

 出羽守行広と入札。

 

二号 刀

 反り浅。中切っ先。棒樋。少し鎬高め。直刃。少しほつれなど。
 肌は少々粗め。映り気。帽子の先が眠くなり形判別不明(おそらく少し大きい)。

 この手の出来は私の眼力では選択肢が多過ぎて非常に難しい。
 おそらく大磨上無銘だが、もしかしたら茎尻に銘があるかも知れない。

 兼常と入札。

 

三号 脇差(鎬造り)

 少し反り、尋常な造りこみ。拳丁子だが中河内とは違うタイプの華やかさが有る。

 この人では無いと思うが他の選択を見つけられず。

 肥後守国康と入札。

 

四号 脇差(鎬造り)

 反りが大変浅い。物打付近の刃線が特に直線的。直刃調の互の目。

 法城寺正弘と入札。

 

五号 脇差(鎬造り)

 直にかなり長く焼き出し、美濃風の互の目。三品帽子。
 
 伊賀守金道と入札。

 


イヤ
国入り

 多分二号は全部外す予感がする。
 とりあえず選択肢をつぶして行く。

 二号 貝三原正興と入札。
 三号は消去法で残った丹後守兼道に入札。


イヤ


 二号 宇多国宗と入札。


イヤ


 二号は三札とも外しましたが、当たるまで入れてよいと言う事で、続ける。
 筑紫了戒(通り)→平長盛(通り)→末延寿(通り)→清左(当)

一号 刀 銘 肥前國佐賀住正広 寛永十五年八月吉日
二号 刀 折り返し銘 波平行安
三号 脇差 銘 大和守吉道
四号 脇差 銘 但馬守法城寺橘貞國
五号 脇差 銘 大法師法橋来金道 万治元年十二月吉日

 鑑賞刀として、京都府支部在籍の北川正忠刀匠、平成二十七年新作名刀展、優秀賞第一席入賞作品を拝見しました。

太刀 銘 北川正忠作之
刃長 二尺四寸一分 反り 約九分

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隣にもう一列つくる

先日の刀片にもう一列鉄色見本を作るため、鉄を刻む。
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小さい物なので大した作業量ではないですが、一日内曇を引いた体には結構こたえる。



鉄色を

鉄色とはかなり複雑で一筋縄では行かないものです。
鑑定上、”北国物は地鉄が黒く”などと簡単に言ってしまうものですが、安易に使い過ぎるのはまずいと感じる事も多くあります。

以前TVで見てそれをブログに書いた事がありました。http://kyoto-katana.at.webry.info/200908/article_3.html
眼の錯覚って凄いですね。 刀の研ぎはこの上記ブログの様な事の連続です。

正直な所、私はあまり几帳面なタイプではありませんので仕事でもデータに基づくよりも経験と勘に頼るタイプです。(聞こえは良いが少々アバウトですか・・)
ただ、鉄色に関してはそれだけでは補いきれない面もありますので、少し鉄色を確認しました。

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細かい事は気にせず短冊状にザッと彫り各種の鉄を入れる。

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とりあえず12種の鉄を。
中名倉。この段階ではどんな色の鉄も判断出来ない。
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地艶。
今回の中では2と十一が一番白い。
ただ、拭いが入るとまた色は変わる。拭いによく反応する鉄は黒くなる。
また、白熱灯にかざすと全く別の表情を見せる鉄も多い。垂直に蛍光灯で見ると全く確認出来なくとも、白熱灯で透かせば明瞭に見えてしまう鉄もある。
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鉄の錵付きや映り、疲れに硬さに肌目・・・。要素は多数です。