備前もの

備前刀三振り拝見。
応永備前、末備前、新刀備前。
いずれも手に取る前からそれと分かる様な典型作。
応永備前は以前よりかなり好きな刀の一つですが、好きさを再認識出来ました。
応永の直刃が特に好きなのですが、こういう地鉄にこういう直調の刃を見ると、この時期の備前物の評価の高さに改めて納得です。
おとなしく真面目な研磨です。 良い石を高い技術で使用しています。
こう言う刀は研師主体で研磨すべきだと思った。



500年と少し前の刀。
二尺一寸三分。 
重ね少し薄め。
先反りと、区から茎尻への反りも有るので全体に良く反る感じを受ける。(一番強いのは腰の反り)
区から刀身中央付近への刃線がぽってりとし、詰る鋒と細く浅い樋に連れ樋。身幅が広く感じる。
短い茎。
細直刃。
所謂脇物の末古刀在銘。
無名ならこの刀工の個銘に極まる事は絶対にないでしょう。
姿を無視し、地刃だけで見れば完全に延寿です。
二重刃も多数有りますし。刃寄り流れて。
好みです。
こういう刀は入手しやすい時代になっているのではないでしょうか。
良縁を待つか。



セン

昨日から樋直し。
普通の樋センで直していましたが柔らかい刀なので”手セン”と言うのでしょうか、ハイスでそれを作り使う。
頻繁に行なう仕事ではないので慣れない人にはこの方が使い易いかも。