今日は入札鑑定会。その前に家の周りのお掃除。

今日は午後から京都支部の例会ですが、その前に早朝から家の周りの草むしり。
本当はこまめに綺麗にしておきたいのですが、綺麗にすると近所の飼い猫ちゃん達がやって来て汚してくれます。
木酢を撒いたり灰を撒いたり色々しますが効果は有りません。
猫ちゃんが来るのが嫌で草を放っておくと伸び放題。 しかし綺麗にすると来ちゃいます。
でも私は知っていました。 草が伸び放題でもちゃんと猫ちゃんは来て居た事を。
朝から草にかかったオシッコに全身まみれながら家の周囲のお掃除。マーキングの匂いは獣臭も混じり強烈です。
ウンチも踏むがめげずに除去。
うちの子供達は家の周囲で遊べません。 
なぜ自分の家の敷地内で遊ばせられないのか、かなり悲しいです。 
もしもそれが出来ただけでも生活は相当変わります。
砂遊びをしたり植物植えごっこをしたり泥の池を作ったりと。 あぁ楽しそう。



伊予砥辺り

人造砥石は天然砥石に比べると、品質はかなり安定しています。 
原料を吟味し、一流の技術で焼き上げた砥石は素晴らしい品です。
しかし砥石メーカーさん曰く、品質には全く問題無い範囲内ですがロット単位や窯に並べる際の位置により極々微妙な硬さの違いなどが出るそうです。
研師は毎日毎日朝から晩までその砥石を使い研磨して居る訳ですから、長い年月同じ種類の砥石を使っているとその違いが分かって来るもので、極微妙なのですが色々と好みが出てきます。
先日買った砥石が絶妙に私の好みでしたので、このロットを逃すまいと少しまとめて買ってみました。
全ての石の硬さを硬度計で測ってもらいましたのでどれも私の好みの硬さだと思いますが念のため実際に錆び刀を当てて試してみます。

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辿り着いたかな・・?!

時々全面打ち粉によるヒケ傷で覆われた古研ぎで、状態は良くないが妙に魅力的で野趣と雅味が混在する様な研ぎを見ます。
(こういう刀に継ぎ研ぎをするのはかなり厄介で、前後に合わせて汚しをしてもなかなかしっくり来ません。)
はじめ、この独特な状態は打ち粉による長年の手入れの結果だと思っていました。
しかしどうも違う。 
普通の研ぎに打ち粉を打ちそして拭う事を何時間か繰り返し、打ち粉のヒケで覆っても、その状態には成りません。
打ち粉だけでは無い事に気が付き色々と試行錯誤を始めたのが10年ほど前。
1年ほどでこれだと思える研磨法は見つけた様なのですが今一歩及ばず・・・と言う状態だったのですが、どうやらようやく辿り着けたかもしれません。
解っている人に教えてもらえば5分で終わるのでしょうが、10年かかってしまいました(笑)
しかしなにせ野趣がありますので通常は使えませんが、もしも自分が気に入る末古刀を手元に置ける様な事になったら、こういう仕上げで楽しみたいものです。(鎌倉時代の刀が合うと言うイメージは持てません。応永備前などにはこの手の研ぎで映りを見事に表現した物を見ます。)



学ぶ事多し  ~日本刀展 刀工月山貞利と月山一門~

色々な時代や国の刀を多数集める展覧会や多くの現代刀匠の作品が一堂に会する展覧会。
楽しみ方は様々ですが、研師にとって、同一刀工やまたその一門の作品が一挙に展示される特別な展示、そして現代刀匠の”個展”は格別勉強になるものなのです。
本日は田中貞豊刀匠と、兵庫県尼崎市の尼信博物館で行なわれている「日本刀展 刀工月山貞利と月山一門」(9月4日~10月3日まで)に行きました。

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現代刀匠の個展では、色々な研師に研がせた作品が並ぶ事が多いものです。
作品の本質は研磨により変化する事は有りません。
しかし単純な見た目は、たとえ安定した技術を有する刀工の作品であっても研ぎ手によりある程度は変化します。
ですので研師にとって現代刀匠の個展とは同一刀工作の色々なタイプの仕上がりを勉強する貴重な機会でもあるのです。
本日の鑑賞は貞豊刀匠にあれやこれやと質問しながら刀匠の目を通さないとまず解らないセンスにも触れる事が出来、さらに充実した一日となりました。
誠に学ぶ事多しです。