鍛錬

先日、田中貞豊刀匠の鍛刀場に行って来ました。
田中刀匠は通常は鍛錬の公開はされていないのですが、某社の研修で特別に公開すると言う事でしたので、私も見学をお願いしたわけです。
仕事の用事で鍛錬をしていない日をお聞きしてから伺った事は何度もありますが、今回は雰囲気が違います・・・。
炭と火の匂いです。  細かく音もしています。

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フイゴを動かし炎が勢いを増します。

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作業内容などを解説しながらですが、全く無駄の無い動きで淡々と作業が進みます。

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唐突に緊張感が増したかと思うと一気に鍛錬へ・・。
場内には悲鳴と喚声があがり鍛錬の音が響きました。

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この日の作業を見た若者達は何かを感じたのでしょうか・・。
 誠に貴重な体験をさせて頂きました。 ありがとうございました。



中途半端に時間が出来たので

先日ちょっと中途半端な時間が出来てしまったので、娘を連れてお散歩に出かけました。
お天気最高桜満開!

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”娘も喜んで桜を見ています!”的な写真に見えますが、唯一そんな風に見える様写った写真です。
全く言う事を聞いてくれない子でお父さんは疲れ果てました・・・。
そう言えば岩倉に住んでるのに岩倉具視のお家を見に行った事が無いのでちょっと自転車で行ってみました。

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ん~、閉まってます。
すぐ横を毎日通るんですが見た事有りませんでした。
こんな綺麗な屋根の建物が有ったんですねぇ。 今度見学に行ってみます。

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曇りを引く

去年購入した内曇であまり良くない石と判断していた物を再度使用してみる。
確か先日も同じ様な事を書いたかと思いますが、内曇砥などの天然砥石は砥質の個体差が大変大きく、そこを利用してさまざまな硬さの刀に合う物を使用します。
基本的には硬い刀には柔らかい砥石、柔らかい刀には硬い砥石を使います。
しかし砥質とは硬軟だけでなく”研磨力”の強弱も有り、これが非常に重要です。
弾力が有り、適度に柔らかく大変引きやすい砥石でも研磨力が無ければ使用には堪えません。
砥石選びとはなかなか一様には行かないもので、一度ダメと判断した物でも時間をおいて使用してみたり全く違う質の刀に当ててみたりと色々試してみます。
以前はダメと思っていた砥石ですが今日は調子良く効いてくれ、大変鮮明な映りが出て来ました。

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十数年前の

十数年前入手した刃艶で硬軟二振りの刃取りを行なう。
この石は某山某層の物ですが思えばここ十数年これ系を主に使用している事になります。
もちろん一般的な山とその層の石も使ってはいますが好みの問題で私には使い辛い。 結果的に一番好きなこの山の石を使っています。
刃艶として使用するには薄く磨った石に漆などで和紙を貼るのですが、石を薄く磨る段階で石の硬軟や粘り、弾力などが分かります。
同じ石でも採取時期や同層内の細かな位置の違いにより質は大きく変わります。
私の好きなこの石は出合った当初から砥質のバラつきが特に酷いと感じていました。
しかし研磨の対象である刀の方も硬い物と柔らかい物では驚くほどの差があります。 
”力”さえ有る石ならば上手に使えば「砥質のバラつき」と言う一見ネガティブに聞こえる要素も実は極めて有効な物と成る訳です。
そう言う意味で今回は均一でない砥質に本当に助けられました。
それにしても「刃取り」は難しい・・・。
私は体質的にかなり酷使しても手の皮が厚くならないタイプなのと、手の動きがあまり平地に触れずに刃取る癖が有るので刃取りに何日も時間をかけても平地を汚す事は有りません。 これは偶然の事で非常に助かって居るのですが、なるべく日数は減らしたいものです。 ほんと大変ですので・・・。