棟焼きの
先日、「棟の鑑賞」として書いた記事の中で、「刀工が反りの調整や不要な棟焼きを、焼いた銅で熱して消す事はよくありますが、入念に研磨された棟を鑑賞するとその痕跡を発見する事があります。匂い口は無くなっておりますが、黒く焼きの形が残り、微妙に凹凸が残った物がそれです。」と書きましたが、今研磨して居る刀にそれを発見しましたのでちょっと撮ってみました。
内曇時の棟焼きを鎬地側から見たところです。 内曇工程ですので鎬地はまだ鏡面状ではなく、結果棟焼きはくっきりと見えますが、銅(あかがね・あか)を咬ませ焼きは飛ばしておりますので匂い口は有りません。 この刀にはこういう状態の物が棟一面に有りました。
←もう少しアップで。
もっと完全に柔らかくなった場合はここまで黒く残りませんが、この程度に留めたものも多く、まま見かけます。
普通に匂い口の有る飛び焼きや棟焼きなどよりは硬度が低いため、針磨き後は見つけ難くなります。
因みに黄金は「こがね」、銀は「しろがね」、銅は「あかがね」、鉄は「くろがね」です。