御刀色々

今週も色々と御刀を拝見。
 大磨り上げ無銘。
腰反り深く先も少し反る。 細身小切っ先。 
鎬高。
尻懸風の刃ですが、造り込みがあまりに優しいので素直に大和物と見て良いのかどうか迷います。
 
 打ち卸し(現在大村砥の状態でしょうか)。 
全身に激しい丁子刃。
丁子が棟に向かい長く成長し鎬を超え棟に迫っています(一部到達しているか)。
おそらく匂い勝ちの刃。 特に腰の方に島刃が多数有るようです。
全身の焼の高さは山鳥毛をも遥かに凌ぎます。
この御刀を拝見した時、相州伝名作集に「伝正宗」の特別重要刀剣があるのですが、それを連想しました。
この伝正宗は、解説によると薫山先生が若かりし頃「長義説」を唱えた事が有ると言う御刀です。
「しかし今は(名作集解説当時)彼の作(長義)では無いことを確言する」とし、”相州本国物”で有ると記されております。
特重図譜の解説によると、切っ先が延びている事など合わせ、正宗の常の作風を離れてはいるが、行光や則重、貞宗にも該当せず、所伝を認むべきものであろうと言った内容です。(細川元侯爵蒐集の一口で熊本藩中では正宗として名高かったもの)
研ぎ上がりが非常に楽しみな現代刀です。
 刀剣まつり会場で、紀州石堂系の某工の定寸ほどの御刀。
匂い口が大変柔らかく自然な部分が多く良い雰囲気。
全身に映り気があり、しかも古刀期のそれに比べ遜色が無いのではと感じました(白熱灯では見ていません)。
個人的好みとして、茎の反り具合と茎尻が深く無い所が大変カッコいい仕立てでした。
刀剣まつり会場で、大磨り上げ無銘刀(スリアゲ風か)。
相州伝、大変素晴らしい地鉄。 本当に魅力的。
沸の良く付いた刃。間を詰めた互の目。
肩落ちや角ばり無く丸い。
地鉄は大変古調。
「勝彌直秀か」とお答えしたのですが、「次郎太郎直勝」でした。
研磨の地の上げ方が大変上手で”青い”地鉄に見えました(白く成り易い刃でしたので、地色はそれに起因しているとは思いますが)。

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