丹波守吉道
刀、銘 (菊紋)丹波守吉道
(京都帝釈天蔵、南丹市立文化博物館寄託品)
6回目は丹波守吉道。
おそらく二代、或いは三代でしょうか。
直ぐに長く焼き出し、互の目主体に様々な刃を交え、匂い深く錵よくつき、砂流し入り、そして湯走りが縞がかり簾刃風となる箇所が複数あります。
丹波は代が下がると完全な簾刃出来が多くなりますが、初代やこの頃の作品には完全な簾刃とはならず、あくまで”簾刃風”にとどめたものがあり、その過ぎない働きが絶妙な景色となっています。
この刀は南丹市立文化博物館にて開催された「園部藩立藩四〇〇年記念・令和元年度秋季特別展 園部藩の歴史と文化」に出陳の品ですが、その展覧会図録の解説に『刀が納められていた箱蓋裏には「謹上 明和八年辛卯冬十一月廿有五日 藤英常」との墨書きがあり…』とあるとおり、園部藩六代藩主小出英常、京都帝釈天への奉納品です。