関物押形完成
先日来描いていた全身押形が完成しました。
磨上て、刀銘茎尻に「兼」の一字が残ります。
以前から度々ブログに書いた事がありますが、美濃物でも尖り刃ではなく少し異風な出来が好みです。
https://kyoto-katana.com/archives/3916/ ←最近ではこの記事など。
今回描かせて頂いた品も慣れない方は美濃物以外の刀に見てしまうかも知れません。
銘は残念ながら「兼以下切レ」となっています。
少し短い茎となる中途半端な位置で切断しており、この刀を之定とするためにそうしたのではないでしょうか。
中宮敬堂の鞘書では「兼房」としており、保存鑑定は「兼則」です。
茎を見ると銘の二文字目の第一角の様な跡が残っています。
中央上部に点が残る事から「兼房」とも見えます。
しかし上身で鑑定するとこの出来は兼則がセオリーだと思います。