押形二枚目

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棚のガラスに並べて貼った押形を正面より少し右から撮った結果長さが違う写真になってしまいましたが、先日と同じ短刀の全身押形です。
ちょっと色々試したく、ざっとですが二枚。
描く時の光が違う物でしたので、互の目の数や足の数が全く違います。
これは「意図的にそうした」或いは「極めていい加減な描き方をした」というわけではありません。
光線の取り方により、ある程度そう見えた結果です。
私の場合、押形で一番苦労するのが刃文を見る事です。
鑑賞の時は、刀を手に持ち好きなように刀を動かし見たい様に見られます。それに比べ押形を描く時はかなりの制限がかかります。
完璧な光の取り方で、刃文の幅や高さを計測しながら描いた押形ではこの様な現象は起こらないと思います。



拵えと刀装具 〜刀匠 川﨑晶平 刀身受注会〜

2017年7月5日~18日まで、東京の日本橋三越本店 本館六階 美術工芸サロンに於いて、「拵えと刀装具 〜刀匠 川﨑晶平 刀身受注会〜」が開催されます。
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「刀身受注会(お守り刀受注会)」と銘打つこの様な企画は過去にあったでしょうか?
少なくとも最近では聞いた事がない。新しく素敵な発想です。
この機会に是非!
詳しくは川崎晶平刀匠のブログで→http://ameblo.jp/kokaji-akihira/entry-12284504694.html



短刀の全身押形を

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押形を新しい紙に初めて描いてみました。
消しゴムも少しならOK。墨の反応も敏感過ぎる事はなさそうで使いやすいかも知れません。
水分によるももけは少しありますが、さほど酷くは無さそうで。
厚いので扱いやすいですが、パリパリ感が強く、シワが出来やすいかも知れない。まぁ大した問題ではないけれど。



雨です

最近はネットニュース程度しか情報を得ない生活だし、外にも殆ど出ないので天気にも疎く。
もう梅雨だったんですね。
今朝も凄い風雨で驚きました。
家の前は、コンクリートに覆われてはいますが小川が流れています。
雨で増水すると必ず見に行きます。
気持ちがいいんです。
独特の音、匂い、風と湿気。
ただ気持ちがいいだけではなく、ん~ってちょっと考えないとそれが何なのかが分からないんですが、何か特別な感情が湧いてくるのが心地いいんだと思います。
子供の頃の記憶ですかね。
水溜まりではなく、流れる水面に跳ねる雨が心地よいです。

先日、押形用紙を買うのにまぜてもらい買わせて頂きましたが、使いやすいです。
少し厚めでパリパリしてて扱いやすく。
墨の反応も程よいと思います。まだ乱れを描いていないですがもう少ししたら明治の貞一の短刀で試します。
厚めで少しパリってるので彫りの中に紙を入れにくいのかなぁ・・・。



切断刀身

国内にはまだ多くの未登録の刀が眠っています。
研師をやっていると「刀が出て来た」という相談を度々受けます。
そういう時は「最寄りの警察署に連絡し、刀を持って行ってください。”発見届け”の書類が作成され、その後教育委員会の審査にて登録証が交付されますから安心してください」といったアドバイスをします。
しかし刀を初めて見る方の中には「大変なものが出て来てしまった」と慌てている方も少なくありません。
大丈夫ですからどうぞ安心して警察で書類を作成して下さいとアドバイスしても、「えらいこっちゃ!銃刀法違反や!」との気持ちでいっぱいのご様子で。
その様な場合の後日談を聞くと、「怖いから警察に持って行き廃棄処分にしてもらった」「知人の話では切ったらええんやとの事やったんで自分で切断した」など、大変悲しい結果が多いです。

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未登録を理由に小間切れに切断された刀身。
私にしては埋鉄の材料などとして活用できるので貴重なのですが、どう考えても惜しいです。
茎を見ると鎌倉期の物や貴重な在銘もあったりします。

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切断された応永年紀の園城寺信国を押形にしてみました。
美しく詰む地鉄に端正な直刃を焼いています。

刀が発見されたら登録手続きを行いましょう。
所持するつもりが無ければ刀屋さんに買い取ってもらえばいいんです。幾らかにはなるでしょう。
そうすれば大切にしてくれる人の元に渡って行きますから。



砥石を切る

新作刀の樋研ぎをと思ったが樋研ぎ用の良い石が無く・・・。以前から少なくなっている事が分かっては居たがなかなか手を付けられずにいて。
樋研ぎ向きの人造砥を準備しカットを。
せっかくなので少なくなってきている刃艶もついでにと倉庫をガサゴソやっていると、あれやこれやと切りたい石が大量になり、結局一日砥石切りになってしまった。
倉庫の砥石、しばらく見ないうちにどの山の物だったのか、よく分からなくなった物も多く、産地不明多数に。とにかく効きそうな妙な色の物ばかりを切った。
倉庫内の石は内曇りとして良い色の物より、へんてこで妙な色の石に異様な効きを示す物が多い。
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もっと沢山出来たつもりだったが、一日頑張ってこれだけか・・・。



天然砥石の値段

一部の天然砥石の値上がりが激しい。
好きな山の天然砥石の値段が数年前の20倍近くになっていて驚いた。
当時確か5000~7000円程度で買った木っ端が10万円。
5万円前後だった原版が100万円になっていた。
プロの職人が買える物では無くなった。



「魂を鍛つ 刀匠月山貞利展」開催(児手柏写公開)

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「刀匠 月山貞利展 ~魂を鍛つ~」
Japanese Swordsmith SADATOSHI GASSAN
The exhibition of Japanese swords
会期:6/14(水)~6/20(火)
場所:東京日本橋髙島屋6階美術画廊
※最終日は午後4時閉場

◆月山貞利ギャラリートーク
6/17(土)午後3時~会場にて

また、関東大震災により焼失し現在は水戸の徳川ミュージアムに眠る、名物「児手柏」。
その写しが月山刀匠の手により再現され、本展にて初公開されます。
詳しくは下記リンクにて。
徳川ミュージアムのブログ