刀絵図のコンクールが!

日頃、押形刀絵図を描かれて居る方はおられますか~!
このブログでもよく記事にさせて頂きますが、私もずっと描いております。
そんな刀絵師に朗報です。
第7回「新作日本刀研磨外装刀職技術者展覧会」で特別公開部門として 「”Sword Oshigata Art” 部門」が新設されました!
出品の案内によると、茎はインク、石華墨、複写紙などいずれの使用も可です。刃文も毛筆硬筆いずれも可。
全身押形が必須です。
製作時期は今回に限り、過去10年以内の作品が認められるようです。
軸装かパネル表装にしなければならない”とありますので早めの準備が必要かと思います。
詳細はあらためてお知らせさせて頂きたいと思いますが、出品ご希望の方は日本刀文化振興協会にお問い合わせ下さい。
日本刀文化振興協会HP

刀の世界に”押形(刀絵図)”と言う物が有る事を多くの方に知って頂く大変すばらしい機会だと思います。
多数の出品が有る事を期待します!



12月日刀保京都府支部例会

京都府支部では12月の例会は、会員持ち寄りによる鑑賞会が恒例となっております。
今年も刀や小道具など、様々な御品を鑑賞させて頂く事が出来ました。
私もお預かりした御刀五振りを持参し、皆さんに鑑賞して頂きました。

菊御作
国広
景安
ノ定
包永

一号  太刀 銘 (菊紋)一 (菊御作) (重要美術品・特別重要刀剣)
二号   刀 銘  信濃守国広      (重要刀剣)
三号 小太刀 銘  景安   (古備前) (特別重要刀剣)
四号   刀 銘  和泉守兼定(ノサダ) (重要刀剣)
五号  太刀 銘  包永   (手掻)  (特別重要刀剣)

大変貴重な御品を支部鑑賞会のためにご提供下さり、誠にありがとうございました。
また、出品させて頂いた御品に対し、いつも大切に扱って下さる支部会員の皆様には本当に感謝致しております。ありがとうございました。

 



その次

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四振り目の刃文を描き始める。

 

仕事で京都国立博物館へ。
今京博では「特集陳列 刀剣を楽しむ─名物刀を中心に─」を開催中です。
刀の展示室に用があり通用口から入りましたが、館の内外は刀を観るための大行列で普通に入れば200分待ちだったようです。
行列の多くは女性ですが、皆さん食い入るように刀を見つめ、静かにキャプションを読み、大変熱心に観覧されていました。



次の次

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三振り目が描き上がる。



無題

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刃文が入る。



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二振り目、茎と輪郭。



墨で

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結局時間もないので筆入れし、片面一気に描いてしまう。



今日は下書き

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佩き表の下書き。
下書きなしでいきなり筆を入れる事も多いが、今回はシャーペンで濃淡も細かく描いてみようと思う。
昔はシャーペンで完成まで持って行ったがここ長らく筆で墨なので、手の動かし方がつかめず上手く行かない。
私はずっとやっていないとすぐに体から完全に消え去るタイプだと思う。若い頃何千回と弾いたギターのフレーズももう弾けなかったりする。



無題

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太刀の輪郭、表裏完成。

昨日の白い研ぎの事。
高い技術を以ってあえて拭いを控えめにし、刃取りも意図的に弱めにして白っぽい仕上がりにしている研磨と、技術も研磨時間も足りぬゆえ拭いが入らず、刃取る技術も未熟で研磨力の弱い刃艶しか持たぬ結果白ぼけた状態になった研ぎ。この違いを分からず後者を大絶賛する情報発信を見かけるが、この手の情報は放置でよいのだろうか。
前者の良さが分かる人は、コントラスト強めタイプの研ぎにも”好みの違い”として理解を示す方が多いと認識するが、後者を大絶賛する人はコントラスト強めの研ぎを酷評する傾向に有る気がする。
私はその時々で研ぎのタイプを変えるが、HPにUPする画像からコントラストが強めの研ぎの印象を持たれているようで、批判の対象になるようだ。



よい品を

研ぎ場にて名品四振り拝見。
鎌倉初期太刀、鎌倉初期小太刀、末古刀、慶長新刀。
いずれも大変良い研磨。 小太刀と末古刀は同じ手によるものか。
鎌倉初期の太刀、下地が素晴らしく大変勉強に成る。
慶長新刀、この刀工の研ぎは比較的黒めに仕上げている場合が多いが、かなり白っぽい仕上がり。
しかしこの研ぎは非常に手が掛かっており、どの工程も大変上手く、特に磨きなどは絶妙。
強い拭いの仕上げを見慣れた眼には、この白い研ぎは受けないかもしれないが、このタイプの仕上げを単に”拭いが効いて居ないだけ”などと思ってはいけない。
奥ゆかしく大変真面目な研ぎだ。

全身で短い物一振りを仕上げ、もう一振りの片面が出来た。
この後長い物を四振り続けてとる。
何も考えず、ただ作業を進める。
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