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昨年12月の例会、京都府支部では毎年12月は支部会員の所蔵品を持ち寄り鑑賞する「会員所蔵品鑑賞会」を行っています。
今回も珍品名品が集まり鑑賞をさせて頂きました。
その後は一本入札による入札鑑定。

 

一号 刀
短寸で優しい姿。中直刃の末備前。刃の雰囲気が彦兵衛に見えるので普段ならそう入札してしまうところですが、先ほど鑑賞させて頂いた肥後拵えに与三左衛門の札が付いていたので多分これだと思う。
与三左衛門尉祐定と入札。

 

二号 刀
少しぽってりとしたタイプの古い姿。中鋒。基本中直刃調だが刃中、刃縁ともよく働きかなり古く見える。
先日研ぎ場で拝見した綾小路と地刃ともに同じ性質だが切っ先が少し延びるのが気になる。
綾小路と入札。

 

三号 太刀
鎌倉末期と見える姿。直刃で美しい地鉄。地刃ともに上品。刃中少し染みて刃肌が目立つがそれは元来の状態で、研ぎ減りによる物ではない様に思う。
地斑風に映り立つ。
選択肢が幾つかあり絞れず。。
雲次と入札。



イヤ

一号 刀 与三左衛門尉祐定
二号 刀 無銘 末行(綾小路)
三号 太刀 無銘 西蓮

三号、そうかぁ、この出来はこういう極めになっているのかぁ。
西蓮は鎌倉末期の人で、良西→西蓮→実阿→左文字と続く古九州の刀工。西蓮極めの刀には何故だか南北朝風の姿も多く、私もどうしてもそちらのイメージを強く持っていました。
今回も西蓮を連想する事は全く無かったのですが、刃肌が目立つ出来なので、子細に見ればその態が地にも及んでおり、もしかしたら綾杉風などもあったのかも知れない。今一度拝見したい名品でした。

あけましておめでとうございます

2017年01月02日【ブログ】

旧年中は大変お世話になりました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

「白駒の隙を過ぐるが如し」

毎年新年に素敵なお言葉を頂く方からの金言です。
こういう言葉は、正直小学校の頃から散々聞かされてきましたが、なかなか心に響く事はありません。
しかし、コーラ中毒のお話や漬物に醤油ひたひたのお話や、色々痛~いお話等々、あえて目線を下げ楽しいお話を沢山してくださる方から発せられれば素直に入ってきてしまいます。
この言葉、近年特に自分でも感じる所であるだけに、より重い言葉として入ってくるわけです。
さてさてどうしたものか・・・。

 

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年末は玉置神社へ。何年振りでしょう。。
神社駐車場より母の実家方面を。
村の道路も整備が進み京都からの所要時間もかなり短くなりました。
車が走る道路はダム湖の湖面近くを通っていますが、昔は尾根伝いに多くの街道がありました。
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十数年ぶりに尾根伝いに玉置山山頂へ。
天候にもめぐまれ、海の無い奈良県から遠く熊野灘を望むことが出来ました。
山稜の上、目線の高さに引かれる水平線を、子供たちはどうしても海だと理解できないようで、「あんな高い所に海が有るはずがない」となかなか信じてもらえず。。
そういえば私も小さい頃初めてこの景色を見た時、全く海とは信じられなかった事を思い出しました。
それにしても寒かったぁ。。
帰りに山鳥の雄一羽と雌二羽が一緒にいる所に遭遇。
なんでこの鳥の毛があの刃文につながるのかなぁ・・。
捌いたら分かるのだろうか?

もろもろ

2016年12月04日【ブログ】

刀剣の精美 ~乱世の名刀と大坂新」観覧。
雲次、凄い品。地も刃も素晴らしい。 この雲次を見たら京博の重文、成高の太刀を思い出した。

押形、刃文が描けなくなった。っというか元々ちゃんと描けないのを誤魔化しつつ続けて来てたので元々描けなかったわけか。

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ペン型石華墨、最高!

重要刀剣指定展観覧。
毎年、こんな凄い品が重刀に指定されていなかったのか!と驚く物がある。
新発見の品もあるだろうし、出す必要がないとの判断で出てきていなかったりもするだろう。おもしろい。

ふくやま美術館へ。京都支部会小旅行でふくやま。
名品過ぎる品がずらり。贅沢。
昔皆で行った時に並んでいた品も多数あった。
http://kyoto-katana.at.webry.info/201007/article_7.html
しかし多分、この時とは研ぎが変わっていたのではなかろうか。。
自分でも経験があるが、展示された時と手に取った時の見え方は全く違う物になる事が多い。展示は研師泣かせ。
また今回も図録完売。

オイルサバディン。缶詰。
いつも大変お世話になっている先生より頂戴した。
ちょっとなんですかこれは・・・。
ここ数年で口にした食べ物の中で一番の旨味。
もう何年も缶詰より美味いものを食ってないのかと笑ってください。しかし同じ様に感じる人は沢山いるはず!

MYOCHIN 伝統の継承と新たな飛躍」観覧。
明珍宗裕刀匠の作品を多数鑑賞させて頂いた。明珍刀匠が全ての作品を解説して下さり、大変勉強になり幸せな時間。
刀展示の見やすさに驚嘆。 白銀師、鞘師、研師の名前も明示され、明珍刀匠の思いが表れていると感じた。
刀匠と研師は違う目を持っているのだけれど、それを明珍刀匠は面白いと感じておられ、その事を刀を見る人にどう伝えるかを考えられていて、刺激をうけた。
全ての作品が現代の超実力派研師達の研ぎ。こんなに勉強になる事はない。全て手に取って拝見したかった。時間も足りず。ぐるぐるぐるぐる延々拝見したい個展。

日本刀五ケ伝の旅、山城編に続き、大和編が出るとの話を聞く。
嬉し過ぎる。

平安城安廣

2016年11月30日【ブログ】

全身押形とりあえず完成。
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紀州刀工について研究されている方より、安廣(あんひろ・やすひろ)を数振り見せて頂けると言う事で御刀の到着を待つ。
荷をほどき、早速拝見。
拵え入り脇差。武骨な拵え。
鞘を払い、ん?と思う。 幅広で重ね厚。フクラ張り、一種独特な雰囲気を持つ樋。
左手で柄を持ち、トンと抜き、茎差し裏が見えた。 目釘穴の大きい見慣れた茎仕立てに声を上げてしまう。
「南紀やんっ」
安廣の頭で居たが間違えて南紀が届いたと。 しかし表へ返し驚く。
「平安城安廣」。

お送り頂いた方から安廣やその周辺について様々なお話を御教授頂いた。
紀州刀工については未だ解明されない部分も多いそうで、安廣も謎の多い刀工の一人。
銘鑑では平安城安廣を古刀期(天正頃)に一人、新刀期に一人上げ、新刀安廣を慶長頃とし、注釈で「天正同人か」としている。
しかし、近年の和歌山支部さんの研究などにより平安城安廣は、紀州石堂の安廣が安定(後の江戸新刀、大和守安定)と共に江戸に移り、その晩年京に移り住んだ時期の作であるとの見方が有力だそうだ。
また、大変興味を引かれる新説もお教え頂いたが、この押形の安廣などは正にそれを示す作かも知れない。

全身押形 刃文を描く

2016年11月30日【ブログ】

全身押形の続き。
墨で刃文を描く。
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とりあえず片面を。

全身押形を描く

2016年11月29日【ブログ】

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平脇差。刃区、棟区ともに大変深い。
目釘穴が非常に大きく茎の重ねも大変厚い。

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身幅広く、重ね厚い。
先にも反りが加わり、フクラが張る。
この工の作を見た事がある方には輪郭だけで誰の作か分かりますね。