天然砥石比較 15

表面

砥石硬度  4/10
研磨力 2/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10

研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

見た目は綺麗なので大変高価な砥石なのですが、研磨力が・・・。見た目の綺麗さだけで選ぶのは非常に危険です。
(天然仕上げ砥石は乾湿を繰り返すと層が開いて割れてしまう事がよくあり、漆や塗料などで保護する場合があります。この石も側面及び裏面に漆を塗っていて、層や裏の皮を見る事が出来ません。)




天然砥石比較 14

表面
裏面
側面

砥石硬度  5/10
研磨力 4/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10


研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試しまとめた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

結局どの砥石を使うかは他との比較になります。これしか無ければこれを使うでしょうし、結果十分に働いてくれる砥石だとは思います。しかし購入以来、刀を引き切った事は一度もありません。



天然砥石比較 13

表面
裏面
側面

砥石硬度  7/10
研磨力 9/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10


研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試し纏めた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。

度々書きますが、見た目に綺麗な砥石が欲しいわけではなく、使える砥石が必要なのです。無難に綺麗な砥石を好めばこの石に手を出す刀研師は少なそうです。

砥石硬度が7まで来ると普通は刃を引く事はありませんが、この石は完全な刃引きとして主戦力になっています。(どの砥石をどの場面で使うかは使い手それぞれの技術や考え方によって様々だと思います。例えば私は引き砥としてよく刃艶を使うのですが、これも私の引き方に合っている使い方です。)



天然砥石比較 12

表面
側面
裏面

砥石硬度  7/10
研磨力 7/10
刀身は末相州。刀身硬度6/10


研磨力数値はこの刀身に対しての物です。
全ての砥石を試し纏めた物を書いているのではなく都度の感覚での数値です。ですので後々変わるかも。

硬い砥石はよく締まっていてあまり水を吸わず、柔らかくなる程グングン吸います。しかしこの石は硬わりにかなり水を吸います。これには弾力が関係しているようです。引いてみると硬く感じるのですが、実は硬いのではなく弾力が無いという事かと。天然砥を使用するには弾力の有無を感じる必要があるとお教え頂いた事があり、以来見方が変わりました。

おっと。比較11で「このコッパは弾力値が高く、砥石としての性能が非常に優れています」と書いて、今回の石には弾力が無いと言ってしまえば、この石は悪い砥石だとの誤解を生みますね。そんな事は無いんです。弾力の有無により、刀身への研磨効果が変わります。例えば弾力の無い砥石を引くと、地肌がよく出ます。また刀によっては弾力の無い刃艶の方が上手くぼかせます(個人的見解)。砥石の良否は研磨力だけで語る事は出来ないんです。