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御刀拝見

2018年02月10日【ブログ】

出先にて無銘雲次拝見。研ぎで少し肌を荒くしてしまっているが、もう少し湿潤な肌に仕上げれば、今は淡く見え辛い映りももう少し鮮明になると思う。
無銘なので当然他の極めも考えられ、例えば畠田真守なども思い浮かぶが、帽子の素直さを重要視すれば雲次の極めになるのだと思う。
それにしても、刃中非常によく働いて、度々見る寂し過ぎる雲次極めの刀とはかなりの違いがあった。

出先にて山城慶長新刀を拝見。寸延び。
慶長新刀は、なんでしょか。あの魅力。慶長新刀を拝見する度に、「慶長新刀」の分類がある事に安心する。良いと感じる感覚は間違っていないのだねと。
この10年で新作刀を少なくとも150~180振り程度は研磨させて頂いたと思うが、その度に姿の大切さ、難しさをつくづく実感し、そして慶長新刀の姿の良さを感じる。(新作刀の姿が悪いと言っているのではない。むしろ現代刀匠の姿に対する敏感さに自分を反省し勉強させて頂く事は非常に多い)
山城慶長は国広、明壽、三品系初代などなど・・・。凄いセンスの刀工ばかり。
どこからあの姿が生まれたのだろう。。以前も書いた気がするが、単に”南北朝の磨上げ姿”では説明がつかん。
”他江不可渡之(太刀)”は何度か手に取って拝見したが恐ろしく洗練された姿で、長い物を一振りしか作った事の無い人間が作れる刀では無かった。
慶長平身。かっこ良さはフクラの張りや枯れ、刀身の反り、茎の振りや刃方のライン、茎の長さ、焼き刃バランスなどなど、様々な組み合わせを絶妙にこなしている物が多いと思う。単に”古いから”、”位列が高いから”の評価ではなく、実際非常に上手い。
ただ、私は数値できっちりと把握するタイプではなく感覚でしか見ないタイプの研師なので、数値の事や目釘穴位置に関する見解などを刀匠さんや鞘師さんに聞いてみよう。

全身押形を掲載

2018年02月08日【ブログ】

2017/03/23の支部入札鑑定会の記事に鑑定刀三号「刀 無銘(金象嵌銘)兼光 附本阿弥光常折紙(重要刀剣)」の全身押形を追加致しました。

2018/02/04の支部入札鑑定会の記事に鑑定刀二号「刀 銘 長曽根興里 真鍛作(重要刀剣)」の全身押形を追加致しました。

 

2月日刀保京都府支部例会

2018年02月04日【ブログ】

今月の支部会は会場予約の都合により、本日第一日曜日に行われました。

今回は私が担当という事で、鑑定刀を集めさせて頂きました。

一号 寸延短刀 銘 立子山住人 将平作  昭和六十一年秋
二号  刀   銘 長曽根興里 真鍛作
三号 太刀   銘 行次(古青江)
四号 太刀   銘 貞次(古青江)
五号 太刀   銘 為次(古青江)
六号 太刀   銘 守次(古青江)

一号は鞘書に「相州廣光ヲ偲作刀之内也」とある通り、古作相州廣光を思わせる出来。
二号虎徹は郷義弘に私淑しそれに範をとったという事を証明する様な出来です。
3,4,5,6号は在銘の古青江で、古青江の作風を学ぶ上で、大変貴重な機会となりました。
この度も大変貴重な御刀の数々をご提供頂きました皆様には心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
虎徹全身2
鑑定刀二号 銘 長曽根興里 真鍛作(重要刀剣)

古青江貞次2
鑑定刀四号 銘 貞次(古青江)

日刀保京都府支部新年会

2018年01月26日【ブログ】

先日、日刀保京都府支部の新年会が行われました。

入札鑑定

 

一号 刀

少し細身で踏ん張りは少ない。全体に反る。応永地鉄に近い質の大変良い地鉄。腰開き。

備前。刃と地の色は則光。ただここまではっきりと腰開きの刃となる則光を今までに見た記憶は無く迷う。
康光はもう少し踏ん張りが有るイメージを持っていて違う気がするし、祐定まで時代が下がるともう少し錵が出ると思う。
則光には黄色く柔らかく詰んだ地鉄と応永杢風の強い印象の地鉄があるが、どちらも地刃全体を覆う共通の色合いがあるのでそれを取って、寛正則光と入札。

 

二号 刀

新々刀丁子。浅く上手い龍の彫り。

新々刀は難しい。。帽子が固山なので固山宗次と入札。

 

三号 刀

幅少し広く平肉少ない。重ね少しだけ薄め。肌立ちぎみ。淡く映る。二つずつ連れる互の目。その互の目は少々高い。

備前か美濃。互の目の形が関に思え、兼定と一旦書く。が、この造り込みは兼元に有ったとしても兼定のイメージではなく、再び考える。
兼元の可能性も考え、互の目をよくよく見るも、やはり兼元とは違うと思う。
ここで「小反りではない」との声が聞こえてしまった。。
備前なら小反りしかないので困った。
吉井吉則と入札。

 

四号 脇差

良く詰む。小錵出来の丁子刃。橘康広風ではなく足が長い。刃中錵流れ。

石堂よりかなり詰む。丁子の形も私の環境ではあまり見ないタイプ。
多分合ってると思う。一竿子忠綱と入札。

 

五号 脇差

鵜の首造り(横手有)。涛乱風大互の目。鎬棟寄り柾。

地鉄の雰囲気と匂い口と刃の色と棟寄り柾なので言之進照包と入札。



国入り

三号、やはり小反り以外には思えない。”小反りではない”と聞こえたのは一号の話だった事にしよう。
ただやはりモヤモヤが残ってしまう・・・ので、小反りか兼光系か微妙な扱いをされる事がある政光と入札。



準然

一号  刀 備州長船則光  文明六年二月日
二号  刀 備前介藤原宗次 文久三年二月日 両車截断 山田源蔵
三号 太刀 備州長船家守  永和三年八月日
四号 脇差 粟田口近江守忠綱
五号 脇差 坂倉言之進照包 延宝八年八月日

 

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支部の辻本先生が今まで度々忠綱の見方を解説して下さっていましたが、やっと当たるようになりました。

肥前刀を全身押形に

2018年01月19日【ブログ】

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肥前刀は新刀屈指の作刀数を誇るため現存品も大変多く、年間数振りは必ず研磨をさせて頂く機会があります。
全身押形はもう10年ほど取って居ませんでしたが久々に全身を描いてみました

無題

2018年01月19日【ブログ】

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装剣金工さんに使ってるところを見せて頂いて以来ずっと超音波洗浄機を欲しかったのですが、場所をとるので躊躇していました。コンパクトな物を見つけたのでようやく購入しました。
毎回オエオエ言いながらやっていたので嬉しい。